海外展開の必須知識!IoTゲートウェイ輸出のポイント ~該非判定とは?~

日本で使用しているIoT製品をそのまま海外で使いたい。でも果たしてそのまま持って行って使えるのか?そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回はIoTゲートウェイ【CONEXIOBlackBear】を例に、日本のIoT製品を海外で使用するための要点をご紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.IoTゲートウェイを海外で使用するために必要なこと
  2. 2.該非判定とは
  3. 3.CONEXIOBlackBearのリスト規制
  4. 4.CONEXIOBlackBearのキャッチオール規制
    1. 4.1.客観要件
    2. 4.2.インフォーム要件
  5. 5.まとめ

▼オススメ関連記事
IoTゲートウェイとは?役割や事例など押さえるべきポイントを徹底解説

IoTゲートウェイを海外で使用するために必要なこと

海外に輸出する自社製品にIoTゲートウェイ端末を付けて出荷し、現地での稼働状況や運用データを収集したいと検討されている企業様が多くいらっしゃいますが、弊社のIoTゲートウェイであるCONEXIOBlackBearは海外向けのモデルがあり、海外でも多くご利用いただいております。
 
IoTゲートウェイを海外に輸出して使用するうえで国内での輸送や使用とは異なり、何点か確認・準備が必要な事項が出てきます。
例えば、
 
 ・該非判定(貨物・技術の輸出規制)
 ・HSコード(輸出統計品目表、主にヨーロッパ)
 ・EAR判定(アメリカ製品の再輸出規制)
 ・国によって、当地代理人(主に東南アジアの国等)が必要

 …など
 
上記以外にも、輸出先の国で使用する際は国ごとの無線認証・安全認証等が必要になる場合があります。また、当地代理人が必要な国では、当地代理人の名義で無線認証等の申請が必要な国もあります
 
海外に輸出して使用するためには様々な対応しなければならないことが出てきますが、この記事ではIoTゲートウェイCONEXIOBlackBearを例に、該非判定についてご紹介いたします

▼IoTゲートウェイ【CONEXIOBlackBear 】の詳細についてはコチラ

  CONEXIOBlackBear | コネクシオIoTソリューション コネクシオは”海外利用可能”・”車載可能”な堅牢性、AI連携を想定したエッジコンピューティング・ゲートウェイ『CONEXIOBlackBear』を開発しました。IoTゲートウェイ|エッジコンピューティング|海外利用|車載利用|コネクシオブラックベア コネクシオ IoT


該非判定とは

日本国内の輸出に関連する法律(外国為替及び外国貿易法(外為法))や、それに付随する、政令(輸出貿易管理令、外国為替令)、省令(貨物等省令)に則り、輸出をする際に許可申請が必要な物に当たるかの、「該当」、又は、「非該当」の判定(「該非判定」)を行い、該当の場合は輸出の許可申請をし、許可を得る必要があります。
該非判定は、大きく2つの規制があります。

①リスト規制
 品目及び仕様により輸出の許可申請が必要となるもの。
②キャッチオール規制
 用途や需要者により輸出の許可申請が必要となるもの。
 
2つの規制がありますが、以下の表のように片方の規制でも該当になると、輸出の許可申請をし、許可を得る必要がでてきます。

①リスト規制
②キャッチオール規制
輸出の許可申請
非該当(対象外含む)

非該当(対象外含む)

不要

非該当(対象外含む)

該当
必要

該当

非該当(対象外含む)

必要

該当

該当

必要


CONEXIOBlackBearのリスト規制

CONEXIOBlackBearのリスト規制について説明をする前に、一般的にリスト規制による判定結果は以下の3パターンがあります。

判定結果
判定条件
輸出の許可申請
対象外
品目および仕様が関係ない場合
リスト規制による
申請不要
非該当
品目および仕様がリストにあるが、規定値を満足する場合や、規定除外が適用できる場合
リスト規制による申請不要
該当
品目および仕様がリストにあり、規定値を超える場合や、規定除外が適用できない場合
リスト規制による申請必要


まずは、輸出する物の品目及び仕様が、対象となるか対象外となるかを判断いただき、対象であれば該当か非該当かを判定します。
また、リスト規制による該非判定は、貨物(ハードウェア)だけではなく、技術(ソフトウェア等)についても判定を行う必要があります。
 
CONEXIOBlackBearのリスト規制に関する対象項目は以下となり、該非判定※を実施しています。

貨物(輸出貿易管理令別表第1)
第8項コンピュータ、第9項(1)通信、

第9項(7)情報セキュリティ、第11項(4)航法措置

技術(外国為替令別表)

第8項(2)コンピュータ、第9項(1)情報セキュリティ

上記の全ての項目で、基準値を満足するか規制除外に当たるため、CONEXIOBlackBearのリスト規制は、「非該当」となります。
 
ただし、この判定は工場出荷時状態の物に対してであるため、アプリケーションソフトウェアを開発されインストールした場合は、アプリケーションソフトウェア(技術)についても該非判定が必要となります。輸出する企業様にて該非判定の実施をお願いします。
 
また、リスト規制の内容は更新されることがありますので、輸出の際に最新版の情報を確認するようにお願い致します
 
※CONEXIOBlackBearの該非判定にはCISTEC(一般財団法人 安全保障貿易情報センター)が発行している、項目別対比表とパラメータシートを使用しております。
工場出荷時状態の該非判定書が必要な場合は、当社お問い合わせ先へご相談ください。

CONEXIOBlackBearのキャッチオール規制

CONEXIOBlackBearのキャッチオール規制については「16項貨物・キャッチオール規制対象品目表」の、第85類の「電気機器及びその部分品」となりますので対象になります。リスト規制と同様に、キャッチオール規制の該当か非該当かの判定が必要となります。
 
キャッチオール規制は、客観要件とインフォーム要件の2種類に分かれます。客観要件は輸出を検討されている企業様にて判断が必要となります。

客観要件

客観要件は、輸出先の地域(国)、用途・需要者によって輸出の許可申請の必要・不要が変わってきます。
まず始めに、輸出先の国が輸出令別表第3の地域(※1)か、それ以外の地域(国)かを確認します。
 
例えば、本記事を執筆時点(2025年1月)で、アメリカやドイツに輸出する場合は、輸出令別表第3の地域(国)となるため、客観要件は非該当となり輸出の許可申請が不要(※2)となります。
 
また、仮に、輸出令別表第3の地域以外の地域(国)の場合は、用途(大量破壊兵器等、核兵器、核燃料など、または特定の国・地域への輸出)、需要者(大量破壊兵器等の開発、外国ユーザーリスト)をチェックして頂き、非該当となりますと輸出の許可申請は不要(※2)となります。

※1:経済産業省のキャッチオール規制を説明するWEBサイトに記載が御座います。
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html (外部サイト)
※2:客観要件が非該当であっても、インフォーム要件が該当となりますと輸出の許可申請が必要となります。

インフォーム要件

インフォーム要件は、大量破壊兵器や通常兵器の開発、製造等に転用される恐れがあると判断された場合、経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)が出され、その通知を受け取った場合は、許可申請が必要となります。

まとめ

今回は、CONEXIOBlackBearを例に該非判定について説明してまいりましたが、以下が要点となります。
 
CONEXIOBlackBearの該非判定は、リスト規制は非該当で、キャッチオール規制は対象となります。
CONEXIOBlackBearにアプリケーションソフトウェアをインストールされる場合は、その部分についてもリスト規制の該非判定が必要となります。
キャッチオール規制は対象となりますので、輸出する企業様にて輸出先の国、用途・需要者によって該非判定が必要となります。
 
また各規制は、随時更新(通常、年に数回程度)されるため、最新の情報を確認するようにお願い致します。(当社では、規制更新時に該非判定の更新を行っております。)

海外で日本のIoT製品を使用するには、しっかりとした準備が必要です。
すぐにでも海外利用をしたいとお考えの方は、すでに該非判定を含む確認事項をクリアした製品を採用するのも方法の一つです。
IoTゲートウェイをお探しの際は、ぜひコネクシオにご相談ください。

▼オススメ関連記事
IoTゲートウェイとは?役割や事例など押さえるべきポイントを徹底解説

▼海外利用可能!IoTゲートウェイ【CONEXIOBlackBear】の詳細はコチラ

  CONEXIOBlackBear | コネクシオIoTソリューション コネクシオは”海外利用可能”・”車載可能”な堅牢性、AI連携を想定したエッジコンピューティング・ゲートウェイ『CONEXIOBlackBear』を開発しました。IoTゲートウェイ|エッジコンピューティング|海外利用|車載利用|コネクシオブラックベア コネクシオ IoT


Mr.Bear

Mr.Bear

コネクシオのIoTシステム開発課に所属し、10年以上にわたりIoTシステムの開発に携わってきた有識者。積み上げてきた知見を駆使し、お客様のご要望に合わせたシステムの提案を行います。 CONEXIOBlackBearを使って色々な実証実験を行っています。
コネクシオのソリューションが5分でわかる!
工業・農業・オフィス・車両・インフラなど、
各分野から抜粋した代表例をご紹介
ご質問やご要望はこちらから
お気軽にお問い合わせください

お役立ち資料
最新記事
サイト内検索