エッジコンピューティングとは? メリットや課題を分かりやすく解説
従来のクラウドコンピューティングに代わり、エッジ側でデータを処理を行うエッジコンピューティング。
本記事では、エッジコンピューティングとはどのような仕組みなのか、メリットや課題と併せて解説します。
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エッジコンピューティングとは
“エッジ(edge)”は、日本語で“端”のことを指します。
その意味の通り、ネットワークの中で使われるエッジとは、末端機器(データの活用現場)を指す場合に使われる単語です。具体的には、データの発生源となる工場の製造設備などがエッジとして挙げられます。
近年は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及に伴って、クラウド上に膨大な量のデータが送られており、クラウドへの負荷が問題視されています。そして、クラウドへの負荷がかかることによりデータ処理速度の遅延を招き、IoTの強みを生かしきれない状況に。
エッジコンピューティングとは、そうした課題を解消するため、システムの末端(エッジ)にデータ処理や保管を分散配置することで、上位の演算や通信の負荷を軽減する仕組みです。ネットワークの経路に負荷が集中するのを防ぐため、遅延が減少してデータの処理速度が向上します。このような仕組みは“エッジ処理”とも呼ばれています。
エッジコンピューティングのメリット
IT化が進んだことで、業務内で多くのデータ処理を求められることが増えたという企業も多いのではないでしょうか。近年、多くのデータを扱ったり、すばやいデータ処理が必要とされたりする業種などでエッジコンピューティングに関心が寄せられています。
なぜエッジコンピューティングが注目されているのでしょうか。その理由は、以下のようなメリットがあるためです。
通信量の削減
利便性の高さから、クラウドを活用してデータの集約を行うケースは多いものの、クラウド環境は通信速度に依存するため、状況によって転送コストも多くなります。エッジコンピューティングは、クラウド環境にデータを集めて処理をする方法と比べ、物理的に近い距離にデータがあることになります。そのため、通信量の削減につながります。
データトラフィックの最適化
日常のあらゆる場所でIT技術が活用されている現在、国内におけるデータトラフィックは増加の一途をたどっています。
2020年には5Gの導入も始まり、さまざまな分野でIoT機器の導入が進むなか、さらなる増加が見込めるでしょう。トラフィックが増加して処理が集中すると、サービスや業務品質の低下につながります。また、クラウド環境に障害を起こす原因にもなるのです。
エッジコンピューティングを活用して、できるだけエッジ側でデータ処理を行うことでデータトラフィックの最適化が図れます。
上述でも触れましたが、クラウドはネットワークの通信環境に依存します。クラウドの場合、データを通信・処理するまでに多少の誤差が発生します。
一方、エッジコンピューティングは、末端のデバイスが処理するためネットワーク通信を必要としません。処理スピードが早く、リアルタイム性の維持が可能です。
エッジコンピューティングの課題
セキュリティ対策が十分でないエッジ端末は外部からのセキュリティ攻撃を受けるきっかけとなり、ひいては機密情報が蓄積されたコアシステムへの侵入を許すことにもなりえるでしょう。
IoT機器の導入を検討する場合は、機器の機能だけでなくセキュリティリスクについて十分に考慮しましょう。
エッジコンピューティングにはデータトラフィックの最適化・安定化のほか、リアルタイム性の維持などさまざまなメリットがありますが、セキュリティリスクに課題があります。
IoT機器のなかにはセキュリティ設定がない製品もあるため、導入を検討する場合はセキュリティ対策が講じられる製品を選択することが大切です。
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