安定稼働を実現する“予知保全システム”の課題と解決策

安定稼働を実現する“予知保全システム”の課題と解決策 (1)


工場にある生産設備や機器に故障・不具合が生じると、製造ラインがストップして、生産ロスの発生、稼働効率の低下につながってしまいます。

安定した稼働を実現するためには、故障や不具合などのトラブルが発生する前に、適切なメンテナンス・修理を行うことが欠かせません。そこで近年取り入れられているのが、IoT・AIの技術を用いた“予知保全システム”です。

「機械の動作不良やエラーが頻繁に起こる」「老朽化・消耗度合いが把握しにくく、メンテナンスの適時性が分からない」という現場において、予知保全システムの構築を検討している担当者さまもいるのではないでしょうか。

この記事では、予知保全とは何か、また予知保全システムの構築課題と解決策について解説します。


目次[非表示]

  1. 予知保全とは
  2. 予知保全システムを構築する際の課題
    1. ①初期コストがかかる
    2. ②学習データが不足している
  3. 回転機のAI予知保全で課題を解決
  4. まとめ


予知保全とは

予知保全とは、生産設備・機器などの稼働状況を監視して、故障や不具合が起きる予兆を検知して保全活動を行うことです。

製造業で従来から取り入れられている設備保全の方式には、予防保全と事後保全がありますが、それぞれ以下のような問題があります。


▼予防保全と事後保全の問題

項目
問題
予防保全
一定期間や劣化箇所のみでメンテナンスを行うため、保全業務の負担・コストがかかりやすいほか、保全前に故障する可能性もある
事後保全
故障・不具合が生じてから修理を行うため、生産再開までにダウンタイムが生じる


これらの問題を防ぎ、安定した稼働とコスト削減を実現するためには、予知保全システムの構築が有効です。

IoT・AIを用いて、生産設備・機器の稼働データを取得・監視・分析することで、正常時と異なる動作・振動・温度などを検知できます。設備トラブルが発生する前にメンテナンスや修理を行えるため、稼働停止による生産ロス、事故の発生を防止することが可能です。

また、故障や不具合の兆候が見られる設備・機器に対して、必要なメンテナンスのみを行うため、定期的な点検、不要な部品交換がなくなり、コストの削減につながります。

予防保全と事後保全の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。

  予防保全とは? 事後保全との違いとIoT活用による予知保全を解説 製造現場で日々稼働している設備や機械を管理して安定した稼働を実現するには、適切な保全活動が欠かせません。保全活動には予防保全・事後保全などがありますが、近年はIoTを活用した“予知保全”も取り入れられています。この記事では、製造現場の設備・機械を適切に管理するための予防保全と事後保全の違い、IoTを活用した予知保全について解説します。 コネクシオ IoTソリューション



予知保全システムを構築する際の課題

予知保全を実現するには、IoT・AIを用いた予知保全システムの構築が必要です。ただし、予知保全システムの構築には以下のような課題があります。


①初期コストがかかる

1つ目の課題は、初期コストがかかることです。予知保全システムの実現には、設備・機器の動きをつねに計測・管理できる仕組みが必要となり、その仕組みの構築に初期コストが発生します。 

コストが発生する項目には、以下が挙げられます。


▼初期コストが発生する項目

  • 稼働データを取得するためのIoTセンサーの導入
  • AIによる分析ツール(プラットフォーム)の導入
  • 工場内の無線通信環境の構築


予知保全システムを構築する際は、どの程度の工数や人件費を削減できるのか事前に試算したうえで、費用対効果を確認しておくことが重要です。


②学習データが不足している

2つ目の課題は、AIに学習させる設備・機器の稼働データが不足している場合、高精度なAI学習モデルを構築できないことです。

IoTが取得した稼働データを分析して予知検知を行うには、AIが正常・異常を判断するための膨大なデータを学習させる必要があります。

しかし、故障や不具合につながったデータの収集が容易ではないため、過去のデータが不十分な場合には学習モデルの精度を高めることが困難です。

十分なデータ量がない場合、必要なデータを取得するまでに時間を要してしまい、実働までに期間がかかってしまう可能性があります。



回転機のAI予知保全で課題を解決

コネクシオの『回転機のAI予知保全』は、予知保全システムの構築にかかる初期コストや、AI学習モデルを構築する際のデータ不足の課題を解決できます。

回転機のAI予知保全は、回転機の稼働データを振動センサーとIoTゲートウェイで監視して、クラウドAIによって異常を検知するシステムです。

対象機器に無線振動センサーを取り付けるだけで運用できるため、大がかりな配線工事にかかるコストを抑えられます。また、AIへのデータ学習が不要な“学習済みモデル”を採用しているため、学習期間が発生しません。

さらに、予知検知のための機械学習アプリケーションプラットフォームや、複数機器を統合監視する監視ダッシュボードも併せて提供しています。センサーの設置後、すぐにAIによる予知検知を運用できます。設備・機器の異常発生時のデータが不足している場合や、導入プロセスの短縮化を図りたい現場にも有効です。

予知保全にAI技術を導入するメリットについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  予知保全にAI技術を導入するメリットと活用法 生産工程で発生するさまざまなデータを蓄積して、AIが持つ学習技術・解析機能を活用することで、設備保全体制の強化につながると期待されています。この記事では、製造現場における予知保全の目的を踏まえ、AI技術の活用方法やメリットなどを解説します。 コネクシオ IoTソリューション



まとめ

この記事では、予知保全システムについて以下の内容を解説しました。


  • 予知保全とは
  • 予知保全システムを構築する際の課題
  • コネクシオの回転機のAI予知保全


予知保全システムは、設備トラブルが発生する前にメンテナンス・修理を行い、稼働停止や事故の防止、保全コストの削減などを実現するシステムです。

ただし、予知保全システムの構築には、IoT機器の導入やAIによる学習モデルの構築が必要となります。

コネクシオの回転機のAI予知保全は、配線工事を行う必要がなく、振動センサーの後付けのみで予防保全システムを構築できます。AI学習モデルの構築も不要のため、異常時のデータが不足している現場にもおすすめです。

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