【プライベートLTE】sXGPと自営BWAの違いや利用環境を解説

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プライベートLTEとは、通信キャリアが提供しているLTEを、一般企業や自治体が独自に構築できる通信システムのことです。

多くの利用者が通信するWi-Fiとは異なり、自営網(閉域)を構築するため、電波干渉がなく、安定かつ高セキュリティの無線通信ができるといわれています。

このようなプライベートLTEには、主に“sXGP(shared eXtended Global Platform:エスエックスジーピー)”と“自営BWA(Broadband Wireless Access)”の2つの方式があります。プライベートLTEの導入を検討している担当者のなかには、「どちらの方式が自社の利用環境に適しているか分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、sXGPと自営BWAの違いや、適している利用環境について解説します。

また、プライベートLTEの概要や導入メリットなどについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。

  プライベートLTE導入の課題と活用シーン プライベートLTEは、有線でのネットワーク構築が難しい大規模な工場、遠隔制御装置や監視装置を使用するなど、安定した通信が求められる状況において活用が期待されています。この記事では、プライベートLTEのメリットや導入のために押さえておきたい点、活用が期待できる事業などを解説します。 コネクシオ IoTソリューション


目次[非表示]

  1. プライベートLTEの2つの方式と違い
    1. sXGP
    2. 自営BWA
    3. sXGPと自営BWAの違い
  2. sXGPと自営BWAの利用環境
  3. まとめ

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プライベートLTEの2つの方式と違い

プライベートLTEには、sXGPと自営BWAの2つの方式があります。ここでは、それぞれの特徴や違いを解説します。


sXGP

sXGPとは、1.9GHz帯の周波数を使用した自営通信方式のTD-LTE通信規格のことです。プライベートLTEの日本標準規格とされており、一般的な携帯電話と同じ無線通信技術の仕組みを採用しています。

また、Wi-Fiと同じく、無線免許や無線従事者の設置が不要なことが特徴です。スマートフォンを用いた無線通信のみならず、安定通信という性能を利用して、工場や物流センター、病院などにおけるIoT化・DXでの活用が期待されています。

出典:総務省『sXGP需要の補足説明』/NICT-情報通信研究機構『プライベートLTE(4G)の無線技術開発実証のためのテストベッド供用事業


自営BWA

自営BWAとは、2.5GHz帯の周波数を使用して、地域BWAが利用されていない特定のエリアでLTEを利用できるローカル無線通信ネットワークのことです。モバイルキャリアの設備を介さずに、自営の設備で自社専用のLTEネットワークを構築できます。

無線通信技術には、国際的な標準規格となっているWiMAXやAXGPを利用しており、1つの基地局で半径2〜3kmの広域をカバーできることが特徴です。

なお、無線免許の登録は必要ですが、周波数を占有できるため、外部の影響を受けにくいことも特徴の一つです。

安定かつ広範囲でのネットワーク構築が可能になることから、農地やプラントなどの広大な敷地における無線インフラとしての活用が期待されています。

出典:総務省 電波利用ホームページ『地域BWA制度の概要』/総務省 総合通信基盤局 移動通信課『省令等改正案の概要


sXGPと自営BWAの違い

sXGPと自営BWAは、利用する周波数や無線局の免許取得の有無、伝送速度などが異なります。


▼sXGPと自営BWAの違い​​​​​​​


sXGP
自営BWA
周波数
1.9GHz帯
2.5GHz帯
無線局免許の取得
不要
必要
伝送速度
下り約14Mbps
下り約110Mbps
通信範囲
約30~200m
半径約2~3km


これらの違いのうち、特に注視したいのが無線局免許の取得です。自営BWAを構築する際は、無線局免許を取得する必要があります。

一方、sXGPは無線局免許の取得が必要ないため、プライベートLTEを利用する際の障壁が低いといえます。

出典:総務省『情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会 報告(案)』/総務省 電波利用ホームページ『地域BWA制度の概要』/大阪ガス『自営等BWAシステムを活用したDX推進による現場業務の効率化 ~大阪ガス泉北製造所のスマートファクトリー化~



sXGPと自営BWAの利用環境

sXGPと自営BWAは、利用する周波数や伝送通信の速度、通信範囲に違いがあるため、想定される利用環境も異なります。

sXGPでは、公衆網の影響を受けにくく、専用SIMによるセキュアな通信が可能という特性から、病院や交通機関、工場などでの利用が想定されています。

これに対して自営BWAは、広範囲での安定した無線通信が可能になることから、プラントや農地といった広大な敷地での利用が想定されています。

それぞれの活用例は以下のとおりです。


▼sXGPの活用例

  • 発電所に設置した各カメラのデータを収集して遠隔監視を行う
  • 病院内の環境センサー、バイタル情報、在庫情報などのデータを収集して、院内職員で共有・監視する


▼自営BWAの活用例

  • 広大敷地を有するガス製造所に設置した各センサーから稼働データを収集して、予防保全や故障予測を行う
  • プラントに設置した各カメラを遠隔地から確認して、タブレットから設備点検を行う
  • 農地の各設備に環境センサーを導入して、栽培管理や出荷量予測を行う



まとめ

この記事では、プライベートLTEの2つの方式について、以下の項目を解説しました。

  • sXGPと自営BWAの特徴
  • sXGPと自営BWAの利用環境

プライベートLTEは、企業や自治体が独自の自営網を構築して、安定した無線通信ができる通信システムです。

sXGPと自営BWAの2つの方式があり、それぞれ周波数や伝送速度、通信範囲などが異なるため、想定されている利用環境にも違いがあります。

病院や工場などでの屋内での利用が想定されているsXGPに対して、自営BWAはプラント、農地といった屋外広範囲での利用が想定されていることが特徴です。プライベートLTEの導入をお考えの方は、無線通信の利用環境や施設の規模に応じて、適切な方式を選択することが重要です。

▼プライベートLETの導入メリットや課題、活用事業については、こちらの記事もご確認ください。

  プライベートLTE導入の課題と活用シーン プライベートLTEは、有線でのネットワーク構築が難しい大規模な工場、遠隔制御装置や監視装置を使用するなど、安定した通信が求められる状況において活用が期待されています。この記事では、プライベートLTEのメリットや導入のために押さえておきたい点、活用が期待できる事業などを解説します。 コネクシオ IoTソリューション


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