【セキュリティ対策】IoTゲートウェイの重要性を解説

[2025年3月5日加筆]

近年、さまざまな産業分野でIoT機器の導入が進んでおり、業務効率化やサービス創出などが期待されています。なかでもIoTゲートウェイは、仕様の異なるシステムやネットワーク同士をつなぐ役割を担っています。

一方、IoT機器をターゲットとしたサイバー攻撃が年々増加・巧妙化しており、企業におけるセキュリティ対策の重要性が高まっています。

スマート工場などでIoTゲートウェイを導入する際は、セキュリティ対策を十分に行うことが重要です。

この記事では、IoT環境構築におけるセキュリティ対策をはじめ、サイバー攻撃によるリスク、IoTゲートウェイのセキュリティ対策の重要性について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.IoT環境構築におけるセキュリティ対策について
  2. 2.IoT機器へのサイバー攻撃によるリスク
  3. 3.IoTゲートウェイのセキュリティ対策の重要性
  4. 4.2025年の動向
  5. 5.まとめ


IoT環境構築におけるセキュリティ対策について

IoT環境を構築する際は、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

セキュリティ対策が必要とされるIoTの構成要素は、以下のとおりです。


▼セキュリティ対策が必要とされるIoTの構成要素

  • サービスを提供するクラウド
  • インターネットにつなぐ中継機器(Webカメラ・ルーター等)
  • システム(ネットワークシステム・制御システム等)
  • デバイス(情報家電・ヘルスケア機器・センサー・高精度カメラ等)

上記のうち、IoT環境を構成するセンサー・高精度カメラなどのデバイスは、性能上の制限から直接セキュリティ対策を実装できないことがあります。

不正な通信をブロックするために、IoTゲートウェイでのセキュリティ対策が必要です。企業のIoT・セキュリティ部門の担当者は、資料を参考にセキュリティ対策を検討してみてはいかがでしょうか。

出典:総務省『IoT セキュリティガイドラインver 1.0』『IoTセキュリティガイドライン ver1.0 概要』『ICT サイバーセキュリティ総合対策 2021



IoT機器へのサイバー攻撃によるリスク

ビジネス現場でも広がりつつあるIoT機器は、パソコン・スマートフォンと同様に、セキュリティリスクが存在します。IoT機器がサイバー攻撃を受けると、情報漏洩やシステムのBot化によって、サービス停止となることがあります。


▼セキュリティリスクの例

  • 情報漏洩、改ざん
  • 第三者への加害
  • ヒューマンエラー
  • システム・機器の障害、故障等

しかし、IoT機器はセキュリティ機能が十分でないものも多く、アップデート機能を持たないケースもあるため、サイバー攻撃の標的になりやすいと考えられます。

総務省の『サイバー攻撃の最近の動向等について』によると、IoT機器を狙ったサイバー攻撃が近年上昇していることが分かります。2016年には1,281億回だったサイバー攻撃が、2019年には3,279億回と3年間で約2.6倍も増加している状況です。


サイバー攻撃回数

画像引用元:総務省『サイバー攻撃の最近の動向等について


また、サイバー攻撃のなかでも、IoT機器(Webカメラやルータ等)を狙った攻撃は48.8%と約半数を占めています。


サイバー攻撃の内訳

画像引用元:総務省『サイバー攻撃の最近の動向等について


IoT機器へのセキュリティ対策は企業の事業継続のために不可欠といえます。

具体的なサイバー攻撃の手法は、以下のとおりです。


▼サイバー攻撃の例

  • DDoS攻撃
  • マルウェア感染
  • 不正アクセス

サイバー攻撃を防ぐためには、保護する情報・機能・資産に想定される脅威を明確化して、セキュリティ対策を検討することが重要です。

出典:総務省『サイバー攻撃の最近の動向等について』『不正アクセスとは?』『事故・障害



IoTゲートウェイのセキュリティ対策の重要性

IoT機器のセキュリティを強化するためには、IoTゲートウェイでのセキュリティ対策が重要です。

しかし、IoT機器の種類によっては大きさや性能上の制限から、単体でのセキュリティ対策を実装できないこともあります。そのような場合は、IoT機器とインターネットの境界上にセキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを設置して、インターネット上で一元的に対策を講じる仕組みが必要です。

セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを活用することで、不正な通信を検出・遮断できるため、通信の安全性を高められます。

総務省『「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」の結果の公表』では、セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイの設置が、セキュリティ脅威に対して有用性があるか実証実験を行った結果が公表されています。


▼セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイに関する実証実験


▽実証実験の内容

  • IoT機器とインターネットの間に、セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを設置した
  • 不正アクセス・乗っ取り・盗難などのセキュリティ脅威に対して、認証・検知・対処といった一連のセキュリティ対策ができるかを試行した


▽実証実験の結果

  • セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを起因とするIoTサービスの停止などは発生せず、良好な運用が行えた
  • 認証・検知・対処などの機能は十分提供できており、通信暗号化機能や秘匿性の高いデータ管理機能を有したシステムであると確認された
  • 課題として、通信が途絶えた場合に誤検知が発生するケースがあったため、異常な通信を検知する機能を向上させる必要がある

総務省『「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」の結果の公表』を基に作成


IoT機器に十分なセキュリティ対策を実装できない場合は、セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを活用することで、その役割を補完できると考えられます。

IoT環境の構築にあたって、IoTゲートウェイを活用する際は、脆弱性の有無の確認や適切なセキュリティ対策を行うことが重要です。

出典:総務省『「IoTセキュリティ基盤を活用した安心安全な社会の実現に向けた実証実験」の結果の公表

2025年の動向

独立行政法人情報処理推進機構 (IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)は、セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)を発足しました。JC-STARとは、ETSI EN 303 645やNISTIR 8425等の国内外の規格とも調和しつつ、独自に定める適合基準(セキュリティ技術要件)に基づき、IoT製品に対する適合基準への適合性を確認・可視化する制度です。

JC-STARでは、これまでの「製品のセキュリティ対策が適切か否か判断できないという課題」に対し、レベルごとに適合ラベルを付与します。
求められるセキュリティ水準に応じて、IoT製品共通の最低限の脅威に対応するための適合基準である★1(レベル1)とIoT製品類型ごとの特徴に応じた適合基準である★2(レベル2)、★3(レベル3)、★4(レベル4)を定め、適合が認められた製品には、二次元バーコード付きの適合ラベルを付与することで、製品詳細や適合評価、セキュリティ情報・問合せ先等の情報を調達者・消費者が簡単に取得できるようにしています。

詳細は、以下のリンクをご参照ください。

▼セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)(IPAサイト)

まとめ

この記事では、IoTゲートウェイのセキュリティ対策の重要性について、以下の項目を解説しました。

  • IoT環境構築におけるセキュリティ対策について
  • IoT機器へのサイバー攻撃によるリスク
  • IoTゲートウェイのセキュリティ対策の重要性
  • 2025年のIoTセキュリティ要件適合評価制度 最新動向

さまざまな産業分野でIoTの活用が進む一方で、IoT機器へのサイバー攻撃は年々増加・巧妙化しています。

サイバー攻撃を受けると、情報の漏洩・悪用、IoT機器の乗っ取りなどが行われるため、企業のセキュリティ対策が重要です。また、監視やメンテナンスサービスの継続性が損なわれ、顧客満足度やお客様からの信頼が大きく損なわれ、それを取り戻すには多くのコストと時間が必要となります。

セキュリティ対策が施されたIoTゲートウェイを導入することで、インターネット上でのセキュリティ対策が可能になり、IoT機器への攻撃を防止できます。

コネクシオでは、利用環境・要望に合わせてカスタマイズができる、IoTゲートウェイ『CONEXIOBlackBear』や、JC-STAR適合予定のArmadillo-IoT A9Eなど、幅広いIoTゲートウェイ製品を提供しています。

また、セキュリティに強いVPN通信サービスであるTRIBE-bizも提供しており、多数導入実績もございます。IoTシステムをセキュアに保ち、安全安心のサービスを提供したいお客様は是非、お問い合わせください。


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