
IoT監視で業務改革と収益向上 !
「IoTで監視業務を効率化したい」という企業には、大きく分けて2通りがあります。
1つ目は、主に「自社工場内や現場の監視業務を効率化したい」という設備保全担当者です。
2つ目は、「自社製品をお客様先に出荷した後の稼働監視をしたい」という、設備装置・重機メーカーのアフターサポート部門です。
どちらの企業も、「現場やお客様へのサポートを円滑スムーズに行いたい」という根本のお悩みは共通です。この記事では、そんなお悩みを解決するIoT遠隔監視のメリットと具体例、および課題についてご紹介します。
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IoTが監視業務に与える影響、メリット
IoT技術は、監視業務に大きな変革をもたらしています。
その影響は「監視」の枠を超え、業務変革や製品ライフサイクル全体に好影響を及ぼします。大別すると、以下の4点が挙げられます。
- 監視の自動化による点検・監視業務の省力化、コスト削減
- リアルタイム監視による安全確保や保守性の向上
- メンテナンスサービスの価値向上による顧客満足度アップと収益増
- 定量データ分析/活用によるサービスや製品の価値向上
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 監視の自動化による点検・監視業務の省力化、コスト削減
IoTを活用した遠隔監視によって、頻繁に行っていた現場での巡回が不要となり、点検・監視業務の省人化を実現します。人手不足が課題の現場では、一人ひとりの負担を軽減し、他の重要な業務に時間を割くことができるようになります。
また、高温・高所での危険を伴う点検業務がなくなるため、作業員の削減に加えて、現場での事故防止にも役立ちます。製造現場での安全対策としての効果も期待できます。
さらに、IoTデータを活用することで、エネルギー消費の最適化も可能となります。例えばビル管理(BEMS=Building Energy Management System)においては、空調設備の稼働状況と温湿度、消費電力量を監視し、エネルギー消費を最適化することで、コスト削減を実現することができます。
2. リアルタイム監視による効率化や保守性の向上
リアルタイムデータを活用することで、迅速な意思決定や、業務プロセスの早期修正が可能となります。現状を早期に察知し、対応することができるため、業務の効率化を促進します。
例えば、物流業界では、トラックの位置情報をリアルタイムで監視することで、配送の効率化を図ることができます。これにより、配送時間の短縮や、燃料費の削減が可能となります。 さらに、リアルタイムデータを活用することで、予測分析も可能となります。
また、製造業では、機械の稼働データをリアルタイムで監視し、異常を早期に発見することで、故障の予兆を検知することができます。これにより、計画的なメンテナンスが可能となり、突発的な故障による生産停止を防ぐことができます。
建設業では、危険区域への侵入検知や、作業員のバイタルデータ監視による安全性向上などもよくあるユースケースです。
3. メンテナンスサービスの価値向上による顧客満足度向上と収益増
特に産業用機械や製品メーカーにとっては、IoTデータはアフターサポートのための重要な情報となります。
IoTゲートウェイを製品に取り付け、稼働データをクラウドに収集します。お客様先の製品稼働状況をリアルタイムに監視することで、異常発生時の迅速なサポート対応が可能です。そのデータを活用すれば、適切な時期に適切な交換部品をお届けしたり、お客様への製品アップグレードを提案したり、アフターサービスの価値を高めることができます。
4. 稼働データ分析/活用によるサービスや製品の価値向上
さまざまなお客様から収集した膨大な稼働データを解析し、その結果を新しいサービスや次期製品開発に活用する「データ駆動型のイノベーション」を実現できます。これにより、効率的でユーザのニーズに合った製品開発が可能となります。
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IoT導入における課題
上記のように、IoTの導入は様々なメリットをもたらしますが、導入には初期投資が必要であり、データセキュリティやプライバシーの問題も考慮しなければなりません。これらの課題をどのように克服するかが、IoT導入の成功のカギとなります。
例えば、セキュリティ対策として、データの暗号化やアクセス制御を強化することが重要です。また、プライバシー保護のために、個人情報の取り扱いに関するガイドラインを策定し、従業員に対する教育を行うことが求められます。
さらに、IoT導入の際には、システムの互換性やスケーラビリティも考慮する必要があります。例えば、既存のシステムと新しいIoTシステムがうまく連携できるようにするためには、適切なインターフェースやプロトコルを選択することが重要です。また、将来的な拡張を見据えて、スケーラブルなシステムを構築することも求められます。
それらを相談・解決できる適切なパートナー選びも重要なポイントと言えます。
監視業務の負担軽減と効率化の具体例
自社製品のIoT化事例
これまで、コネクシオのIoTソリューションにより、多くのお客様が自社製品の遠隔監視の実現と、それに伴うメンテナンスサービス価値向上を実現しました。
製品にIoTゲートウェイを組み込み、センサーや制御用のPLCデータを取得し、その稼働データをクラウドに送信し、遠隔からでも状況を確認できるようにしました。これにより、迅速な対応が可能となり、保守の効率化にもつながりました。また、お客様に適切なタイミングで部品交換の提案を行ったり、効率的な使い方のレクチャーを行ったりして、顧客満足度を高めることができました。
さらに、IoT化により、製品ライフサイクル全体を通じてデータを収集・分析することが可能となりました。これにより、製品の性能や品質を向上させるためのフィードバックを得ることができ、製品開発の効率化にも寄与します。
自社内設備の監視業務効率化、異常検知・予知保全
稼働データを取得すると、現場設備の異常を検知することができます。そういったデータを蓄積し、AI技術を活用すると故障の予兆検知が実現可能となります。これにより、未然に問題を防ぐことができ、保全コストの削減が可能です。また、リモートでの保守管理ができるため、遠隔地での作業負担も軽減されます。例えば、風力発電所では、タービンの振動データをリアルタイムで監視し、異常を早期に検知することで、故障を未然に防ぐことができます。
さらに、予知保全の導入により、設備の寿命を延ばすことが可能となります。例えば、製造業では、機械の稼働データを分析し、最適なメンテナンス時期を予測することで、機械の寿命を延ばし、コスト削減を実現することができます。計画的なメンテナンスが可能となり、突発的な故障による生産停止を防ぐことができます。
今後のIoT監視技術の展望
IoT技術は日々進化しており、新たな技術の導入が期待されています。これにより、さらに効率的な監視が可能となり、業務の最適化が進むでしょう。
例えば、5G技術の導入により、データの送受信速度が飛躍的に向上し、リアルタイムでのデータ監視が可能となります。これにより、異常の早期発見や迅速な対応が可能となり、業務の効率化が図られます。
また、AI技術の進化により、異常検知や予知保全の精度が向上します。例えば、製造業では、今までベテラン技術者の五感に頼っていた点検・監視業務や、目視に頼らざるを得なかった作業を、AIが高精度でやってくれるようになり、自動化、省力化が進むことが期待されます。
まとめ
この記事では、IoT技術を活用した監視業務の効率化について、主に下記の4つのメリットを解説しました。
- 監視の自動化による点検・監視業務の省力化効率化、コスト削減
- リアルタイム監視による安全確保や保守性の向上
- メンテナンスサービスの価値向上による収益増
- 定量データ分析/活用によるサービスや製品の価値向上
今後も進化を続けるIoT技術に注目し、監視業務の効率化を図っていきましょう。
また、IoT技術の導入には、データセキュリティやプライバシーの問題、初期投資の課題などが存在しますが、これらの課題を克服することで、IoT技術のメリットを最大限に活用することができます。企業は、適切な戦略を立て、IoT技術を導入することで、競争力を強化し、ビジネスの成長を実現することができます。
IoTで監視業務効率化を実現したいとお考えの方は、ぜひコネクシオまでお問合せください。