透析遅延ゼロを目指す情報管理システム「J-Connection」
運転状況の見える化を、ゲートウェイからクラウドアプリまで開発提供

日本ウォーターシステム株式会社
http://www.j-waters.co.jp/(外部サイト)

日本ウォーターシステム株式会社 様は、水処理設備・装置を中心に、開発、設計、製造、施工、メンテナンス事業の提供をされています。製品は病院をはじめ、工場、自治体、レジャー施設など幅広くユーザーに提供をされ、特にメディカル事業においては、透析用水作製装置のリーディングカンパニーとして業界を牽引しています。

 

  •  既存製品では、透析用水作製装置(RO装置)のデータ取得がリアルタイムで行う事ができなかった。
  • データの転記作業を手書きで行わなければならなかった。
  • IoT機能の開発経験がなく、トータルで提案から設計まで任せられる開発元を探していた。

 

  • 透析用水作製装置のPLC内の各種運転データを読み取る事で、運転状態をリアルタイムで自動点検する事ができるようになった。
  • これまで手書きで作成していた保守点検報告書を、収集したデータを活用し、遠隔地からいつでも出力ができるようになった。
  • 不具合時の異常判断がデータに基づいてできるようになった。
【導入サービス】
・IoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear
・通信サービス「TRIBE-biz

システム開発サービス
 -BlackBear内稼働ソフト
 -クラウドアプリ
 -納入後の保守サポート

【事例概要】
日本ウォーターシステム株式会社 様は1986年の創業以来、高い技術力と豊富な経験をもとに水処理装置の製造・販売・アフターサービスを展開。特に近年はメディカル事業へ経営資源の集中を図り、主力製品である人工透析用水作製装置は、多くの病院施設に導入されています。
「ECO」「IoT」を取り入れた環境に優しい製品を提供すると共に卓越したアフターメンテナンスにより、安心・安全な「水」を提供し続ける企業です。

コネクシオはパートナー企業であるリックス株式会社 様と共に、人工透析治療に使われる透析用水作成装置の情報管理システム「J-Connection」の開発に携わらせていただきました。その経緯や今後の展望について、設計部 機械設計グループ 磯田 翼介氏にお話を伺いました。
 

透析用水作成装置 情報管理システム「J-Connection」とは

人工透析治療に用いられる、透析用水作製装置。治療に必要な透析用水を高度に清浄化し安定的にお届けする為に、透析遅延「ゼロ」を目指す情報管理システムとしてうまれた「J-Connection」
IoT機能を一新し、ユーザー様に役立つ警報機能や点検機能がより充実しました。

「J-Connection」の詳細はこちら
http://www.j-waters.co.jp/product/jconnection/
(外部サイト)

IoTシステムでメンテナンス業務のサポートを行いたい


医療現場において、人工透析治療はなくてはならないものです。日本ウォーターシステム株式会社 様はメディカル事業において、透析用水作製装置のメーカーとして、開発、設計、製造、販売、アフターサービスまで一貫して自社で行い、人工透析治療に必要な透析用水を高度に清浄化し安定的にお届けすることで透析治療を支えています。

これまでも日本ウォーターシステム様の提供される透析用水作製装置には、機器に異常が発生した際メールで通知をする警報メール機能、機器の稼働状況を自動帳票する機能を備えた「Jモニター」というIoT機能が搭載されていましたが、
帳票データが翌日以降にしか確認できずJモニター用ルーターのWi-Fi圏内のみ対応しており遠隔での閲覧ができない等、課題がありました。

IoTの機能を拡張し、これまでになかったサービスの展開を実現するために


既存のIoT機能であるJモニターを一新し、今ある課題を解決する新たなIoTシステムを作る。【J-Connection】の企画段階から携わる磯田氏は次のように話されます。

「Jモニターに代わるIoTシステムとして、【J-Connection】の企画が立ち上がった時、まず仕様を固めていくことに苦労しました。
もともとこの業界には”これほど大規模なIoTシステムを搭載した製品”の前例がなく、一から自分たちで仕様を考えなくてはなりませんでした。
開発に関して複数の会社とやり取りをしましたが、弊社はIoTのことがよくわからない、依頼先の会社は透析用水作製装置のことがわからないという状態であり、打ち合わせの段階でお互い手探りで仕様を固めていくことを繰り返し、やっと見積もりを出す段階までいったところで、この要件は自社では開発ができないと言われ、計画が白紙に戻ってしまうこともありました。

設計部 機械設計グループ
磯田 翼介 氏

開発依頼先の選定に頭を抱え始めたころ、弊社の部品調達の部門と関わりがあったリックス株式会社 様に相談をしたところ、IoTの開発ベンダーとしてコネクシオ様を紹介されたのが、【J-Connection】開発スタートのきっかけになりました。」

コネクシオに開発をご依頼いただいた決め手と、開発までに苦労した点について


日本ウォーターシステムの透析用水作製装置と
【J-Connection】の画面

コネクシオへ開発の依頼を出す決め手と、開発までに苦労された点について磯田氏は以下のように話されます。

「コネクシオ様へ開発をお任せする決め手は、弊社の思い描く通りのシステム開発が可能であったことです。また、弊社透析用水作製装置に設置するPLCのデータ収集から、クラウドの設計開発まで一連となったIoTシステムの要件定義まで、臨機応変にお願いできたことが非常に助かりました。IoTの知識があまりなかった弊社側にも、かなり丁寧に様々な説明をして頂けたことも安心感につながったと思います。

私個人としては開発期間に入る前の段階、【J-Connection】として仕様が固まるまでの苦労が大きかったです。弊社としてはここまで規模の大きいIoTシステム開発は初めての試みであったため、仕様書で詰め切れていなかった点が多々あったり、新しい透析用水作製装置本体と同時開発だったため、都度仕様を再検討する必要があったことです。
開発期間に入ってからはコネクシオ様の開発担当者の方が大変だったかと思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございました(笑)。」

開発期間に入ってから、日本ウォーターシステム様、リックス様、コネクシオは毎月開発プロジェクト定例会を実施。
開発の進捗や、新たな要望についての検討などを定例会の中で議論、協議し、より理想に近い製品を組み上げていきました。

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情報管理システム「J-Connection」 構成図


コネクシオの開発領域
<システム開発>
■IoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」内のプログラムを開発
■AWSクラウドアプリの開発
 透析用水作製装置
の状態監視
 異常を検知した際、メールにてアラートを発信

J-Connection 見える化画面


J-Connection 点検記録表画面
J-Connection 運転・積算・設定データ画面

IoTゲートウェイを活用し、透析用水作製装置のデータを監視
異常時の自動通知や自動帳票機能


コネクシオは、ハードウェアとして【CONEXIOBlackBear】、また【CONEXIOBlackBear】上で動くソフトウェア、クラウドアプリまでを開発提供。 PLCから取得したデータをIoTゲートウェイ【CONEXIOBlackBear】からクラウドへ送信することで、AWS cloudで装置の状態監視が遠隔で可能になりました。

それにより、最短翌日にしか確認ができなかった装置の状態が常時確認ができるようになり、警報や、異常な数値を検知した際は担当者へ自動でメール、または電話で通知される事により、リアルタイムでの異常検知も可能となり、いち早く対応することができるようになりました。 また、点検毎に手書きで作成していた保守点検報告書も、収集したデータを活用し遠隔地からいつでも出力ができるようになり、業務のDX化にも貢献できるようになりました。

J-Connectionの今後の展望


最後に、磯田氏に【J-Connection】の今後の展望を語って頂きました。

「弊社の透析用水作製装置は日本全国の病院、クリニック様に導入させて頂いていますが、地域によって原水の水質や水温など条件が異なっており、最適な運転方法も異なります。
【J-Connection】を導入し、各施設の運転データを継続して取得、分析することにより、最適な運転方法(従来よりもRO回収率[※1]を向上したり、原水の加温[※2]を抑えたりエコに特化した運転にするなど)を提案することができると考えております。

また、今後も引き続きIoT機能の追加を検討しており、利用者からの声も集計しています。
取得したデータを活かして、導入される地域に寄り添った提案をしていくこと。頂いた声を活かしてよりよい製品を開発していくことを、【J-Connection】を通じて実現していきます。」

※1 透析用水作製装置では、原水をRO膜に供給しRO処理水を作製しますが、水質の向上やRO膜の寿命を延ばすため、一定割合の原水を濃縮排水するクロス・フローろ過方式を採用しています。RO膜に供給した水に対する処理水の割合をRO回収率と呼びます。
※2 原水に含まれるシリカのスケーリングを軽減するため、原水は一定温度(25℃付近)に加温します。

新規ソリューションの開発はコネクシオにご相談ください。


コネクシオでは、デバイスの選定・提供からアプリケーション・ソフトウェアの開発までを一気通貫でご提案可能です。
「自社の製品にIoT機能を付加したい」「IoTを導入したいけれど、なにから始めればいいのかわからない」などございましたら、まずはきっかけとして弊社にご相談ください。
これまでの知見と経験を活かし、お客様の「こうしたい」を実現するサポートをいたします。

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