IoTで販売車両の状態把握を実現。
データを基にサポート充実と新事業展開

古河ロックドリル株式会社 様
140年以上の歴史を持つ古河機械金属グループの削岩機事業を担う中核事業会社、古河ロックドリル。鉱山開発、土木、建設で活躍するブラストホールドリル、油圧ブレーカ、油圧圧砕機などの削岩機分野と、トンネル掘削機(ドリルジャンボなど)分野で100ヶ国以上へ輸出するグローバルのトップメーカーとして事業を展開しています。グループ全社でマーケティング経営を目指す中、同社はコネクシオIoTソリューションを活用した販売機械の状態把握と、そのデータを用いた新たなサブスクリプション型のサービス提供を推進しています。
  • 海外で使われる機械の稼働状態が把握できない
  • 保守サポートのために稼働・操作データを取得したい
  • 利用状況に応じた最適な改善提案と故障対応を行いたい
  • IoTを活用した新たなビジネスモデルを確立したい
  • 機械の稼働・操作データの取得が実現
  • データを基に、新たな提案や機械の操作指導が可能に
  • 突発的な故障時も迅速な修理対応が実現
  • サブスクリプション型保証プログラムの提供を開始
【導入サービス】
・車両に搭載したIoT端末で稼働・操作データを取得
・取得データはモバイル回線でサーバへ送信
・蓄積・解析された結果をクラウドにより表示

■古河ロックドリル株式会社
ライフサイクルサポート本部
情報管理サポート部 部長 兼 稼働管理課長
五味 敏彦 氏

事業内容:土木建設機械の製造販売事業(油圧ブレーカ/油圧粉砕機/エアツール/クローラドリル/ ダウンザホールドリル/ドリルジャンボ/開孔機/フロントアタッチメント)

URL:http://www.furukawarockdrill.co.jp/

ライフサイクルサポート部門を新設
機械の状態データを取得し、新たなビジネスモデル確立を目指す


同社が製造、販売する機器はその特性上、稼働状態を把握することが困難で、販売後の顧客との接点は限定的でした。同社はこの課題に対し、
データを活用した販売機械の状態把握と適切なサポートを行うための専門部署、ライフサイクルサポート本部を設立。自社製品を顧客により長く、適切に使用してもらうためのサポート体制を構築し、併せて保証プログラムやメンテナンスプログラム契約などの提案により、ストック型の新たなビジネスモデルを確立する取り組みを推進しています。

ライフサイクルサポート本部 情報管理サポート部 部長 兼 稼働管理課長の五味敏彦氏は、この狙いを次のように話します。
「古河機械金属グループとして、カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現を目指す。2025年ビジョン“FURUKAWA Power &Passion150” を掲げ、マーケティング経営による古河ブランドの価値向上が推進されています。当社としても市場と顧客ニーズに合致したソリューション提供を行うために欠かせないのがIoTの活用でした。

当社製品は例えば鉱山機械は約10年間使用され、またトンネル掘削機は24時間使用されます。適切なサポートを行うためには正確な稼働および操作の状態をタイムリーに把握する必要があるのですが、販売拠点から遠隔地で使用される為機械の状況把握が難しく、販売後の客先との接点は定期メンテナンスや修理対応などに限定されていました。
現場でどのように使われているかがわからないことで故障の原因特定も困難ですし、サービス員のリソースにも限りがある中でサポートが行き届かないという事態にもなりかねません。そこでIoT技術を取り入れ、お客様との良い関係を築く上で必要なデータを収集し、そのデータを活用したサブスクリプション型のサービスを新たなビジネスモデルとして確立しようというのが、この取り組みの狙いです。」

標準仕様で車載可能なコネクシオ製品を選定
通信技術に明るい担当者の対応も評価


同社は機器の稼働状態を遠隔から把握可能な機器、サービスの情報を収集。複数社の提案を比較検討した結果、コネクシオのIoTソリューションを選定します。五味氏はその理由を、次のように話します。

「コネクシオ製品を選定した最大の理由は、当社機械の車載に耐えうる製品仕様を標準で備えている点でした。振動や耐熱などの耐環境性能でカスタマイズを必要としないことで、コスト効果と実施までの期間短縮が見込めます。コネクシオとは開発段階から協議を重ね、結果としてデータを収集する上で必要なプロトコルやポートへの対応も問題なく、当社の機械データを収集するためのスペックをすべて満たしてくれました。」

当時、コネクシオは日本国内で構築したIoTシステムを海外拠点へ展開する際に、海外でも利用可能なエッジコンピューティングゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」を開発しており、同社との協議を重ねて必要となる仕様を満たしていきました。こうして完成したCONEXIOBlackBearは油圧クローラドリルなどの車載検証を重ね、同社が求める各種データが無事に取得されることを確認。正式に同社機械への組み込みが決定となりました。

五味氏はその間のコネクシオの対応について「コネクシオのハードウェア、ソフトウェアの各担当者は当社が得意ではない通信関係の技術と情報に精通していて、常に的確なサポートをすばやく行ってくれました。」と評価します。

古河ロックドリル様 IoT(車載機械の情報収集)イメージ

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販売機械の稼働および操作データを取得
サービス品質向上と新たな補償プログラム展開が実現


現在、同社の国内向け製品はCONEXIOBlackBearを搭載して出荷されており、当初想定された稼働および操作データが収集可能に。海外向けに関してもコネクシオと連携して現地の通信規制などと照らし合わせ、デバイスの認証が取得できている東南アジア諸国への出荷を開始し ています。
同社では得られたデータを基にした「F-MICAS ブラストホールドリル稼働サポートシステム」をサービスとして立ち上げました。
同サービスは顧客に対し「予防保全と修理費用の低減」「修理の迅速化と安定稼働の確保」「穿孔作業の効率アップ」のメリットをもたらすものとして提供され、加えて新車標準保証期間をユニット単位で延長できる「FD-CAR Eメンテナンス・保証プログラム」、毎月定額の保守サービス料支払いにより期間中の突発的な故障に対し顧客側の負担なしでの修理を提供する「FD-CARE フルメンテナンスプログラム」と共に、市場へと展開されています。

五味氏はその効果について「機械の稼働および操作の状態が把握できることで、そのデータを基に営業がお客様へプリベンティブメンテナンスなどの提案や、当社技術員による作業に関するアドバイスや取り扱い指導が行えるようになりました。また、突発的な故障時にも修理箇所を 特定した上で駆け付けることが可能になり、迅速な修理対応が可能になりました。データは販売店、サービス工場へも提供して一層のサービス向上を目指すと共に、部品販売やサブスクリプション型保証サービスでの売り上げ増加を見込んでいます。」と語ります。

グローバルへの展開と共に
AI解析による更なるサポートサービスの充実と効率化を目指す


同社では今後、欧米、中南米、アフリカなどグローバルでのサービス展開を目指し、AIを用いたデータ解析により更なるサポートサービスの
充実と、効率化を図る構えです。データ収集のIoTプラットフォーム構築が実現したことで、同社はデータの利活用についての検討を進めていると話す五味氏は、コネクシオへの期待を含め次のように結びました。

「どのようにデータを収集するか、というステージをクリアし、今後は集めたデータを基にいかにしてサポートレベルと売上を向上させるかについて、社内各部署と協議を重ねています。今後、収集したデータをお客様に開示して自社の稼働サポートに役立ていただくサービスの展開や、故障前の数値変化を踏まえた予兆の把握と能動的なメンテナンス提案などにつなげていければと考えています。コネクシオには第5世代移動通信システム5Gなど新たな通信サービスへの対応を始め、世界各国でのデバイス認証取得を進めていただくと共に、今後もIoTビジネスモデルの共創に期待しています。」
\本事例のようなDX共創にご興味ある方はこちら/

関連製品

海外/車載利用可能な”CONEXIOBlackBear”

3つの特徴

①エッジコンピューティング
②海外対応可能
③車載対応可能

個別のIoTシステム開発

コネクシオは、お客様のご要望に沿った個別の開発案件に積極的に取り組んでおります。「こんなことは実現できるか」「個別に相談したいことがある」等、どのような内容もお気軽にお問い合わせください。

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