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通信障害時にも安定運用が可能になる「マルチプロファイルSIM」とは?

今回は、稼働停止が許されないIoTシステム運用にお悩みのエンジニアや設備管理者の方々必見!
1枚のSIMで通信キャリアの冗長化に対応した「マルチプロファイルSIM」について紹介します!!

目次[非表示]

  1. 1.SIMのおさらい
    1. 1.1.国内の主要キャリア
    2. 1.2.プロファイルとは?
  2. 2.IoT分野におけるモバイルの役割
  3. 3.モバイル通信は万能?
    1. 3.1.電波干渉、障害物の影響
    2. 3.2.キャリアの障害
    3. 3.3.IoTシステムにおいてモバイル通信が障害を起こすことで想定されるリスク
  4. 4.モバイル通信の冗長化
    1. 4.1.ローミング
    2. 4.2.デュアルSIM
  5. 5.もう1つの冗長化手段!「マルチプロファイルSIM」
    1. 5.1.「マルチプロファイルSIM」とは?
    2. 5.2.CONEXIOBlackBearが「マルチプロファイルSIM」に対応!
  6. 6.まとめ


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SIMのおさらい

SIM(Subscriber Identity Module)は携帯電話やスマートフォンに挿入される小さなICカード(以降、SIMカード)で、携帯電話ネットワークに接続して通話やデータ通信が可能になります。
最近では、物理的なSIMカードの代わりに、デバイスに内蔵された「eSIM」も普及しています。

国内の主要キャリア

日本国内の代表的なキャリアは以下の通りです。

  • NTTドコモ
    日本最大のキャリアで、広範なネットワークカバレッジと多様なサービスを提供しています。

  • au(KDDI)
    高速なデータ通信と豊富なサービスオプションで知られるキャリアです。

  • ソフトバンク
    革新的なサービスと競争力のある料金プランを提供するキャリアです。

  • 楽天モバイル
    比較的新しいキャリアで、低価格の料金プランと独自のネットワークを展開しています。

これらのキャリアは、それぞれ異なる特徴やサービスを持っており、ユーザーのニーズに応じて選択することができます。

プロファイルとは?

プロファイルとはSIMカードに保存されている情報のことを指し、ユーザーの識別情報やネットワーク接続に必要なデータが含まれます。
具体的には以下のような内容が含まれます。

  • IMSI(International Mobile Subscriber Identity)
    国際移動体加入者識別番号で、ユーザーを一意に識別するための番号

  • 認証キー
    ネットワークに接続する際に必要なセキュリティ情報

  • 電話番号
    ユーザーの電話番号

  • ネットワーク設定
    APN(Access Point Name)など、データ通信に必要な設定情報

これらの情報により、SIMカードを挿入したデバイスが正しくネットワークに接続し、通話やデータ通信が可能になります。


IoT分野におけるモバイルの役割

IoT(Internet of Things)分野におけるモバイルの役割は非常に重要です。
モバイル技術はIoTデバイスがインターネットに接続し、データを送受信するための基盤を提供します。
以下に、モバイルがIoT分野で果たす主な役割をいくつか挙げます。

  • 接続性の提供
    広範囲にわたるカバレッジを提供しており、IoTデバイスが場所を問わずインターネットに接続できるようにします。
    これにより都市部から遠隔地までどこでもシームレスに通信できるので、特に設備や機器などの遠隔監視では重視されています。

  • リアルタイム通信
    IoTデバイスがリアルタイムでデータを送受信することを可能にします。
    これは迅速な意思決定や即時の対応が求められるIoTシステムにおいては、特に重要です。

  • セキュリティの強化
    データの暗号化や認証機能を提供し、IoTデバイス間の通信を保護します。
    これにより、データの安全性が確保され、サイバー攻撃からの防御が強化されます。

  • スケーラビリティの向上
    IoTデバイスの数が増加しても柔軟に対応できるため、大規模なIoTシステムの構築が容易になります。
    これにより、企業は必要に応じてデバイスを追加し、システムを拡張することができます。

モバイル技術の進化により、IoT分野での応用範囲はますます広がっています。
特に5Gの導入により、より高速で低遅延の通信が可能となり、IoTデバイスの性能と効率がさらに向上することが期待されています。

モバイル通信は万能?

場所問わずインターネット接続を可能にしリアルタイムにデータ送受信を可能とするモバイル通信ですが、果たして万能なのでしょうか?

電波干渉、障害物の影響

建物の壁や地下、密集した都市部では電波が届きにくくなることがあります。例えば、窓際に移動する、電波の強い場所を探すなどの対策が考えられます。

キャリアの障害

キャリアの設備故障やメンテナンス、自然災害による影響などが原因で通信が途絶えることがあります。このような場合、通信が再開するまでの間は他の通信手段(Wi-Fiなど)を利用する必要があります。

前者はユーザの工夫である程度解決可能ですが、後者はユーザー側で解決することができず復旧を待つしかありません。
近年発生した携帯電話網の大規模通信障害では、全国的に長時間に及ぶ通信の混乱が発生しました。携帯電話端末のみならずIoTデバイスも利用が困難になり、通信の社会インフラとしての重要性が再認識されることとなりました。

IoTシステムにおいてモバイル通信が障害を起こすことで想定されるリスク

IoTシステムにおける通信障害で起こりえるリスクは、以下があげられます。

  • リアルタイムデータの欠如
    IoTデバイスからのリアルタイムデータの送受信が停止します。
    これにより、迅速な意思決定や即時対応が求められる場面で遅延が発生し、業務効率が低下する可能性があります。

  • リモート管理の停止
    遠隔地にあるIoTデバイスの管理や制御ができなくなります。これにより、現地での対応が必要となり時間とコストが増加します。

  • 業務の中断
    産業用IoTシステムでは、通信障害が生産ラインの停止や物流の遅延を引き起こす可能性があります。
    これにより、企業の生産性やサービス提供に大きな影響を与えることがあります。

  • データの損失
    通信障害が発生するとデータの送信や保存が正常に行われず、重要なデータが失われる可能性があります。
    これにより、データの再取得や復旧に時間とコストがかかることがあります。


モバイル通信の冗長化

ローミング

ローミングとは、契約している通信事業者のサービス提供エリア外でも、提携している他の事業者のネットワークを利用して通信を行う仕組みのことで冗長手段として利用することができます。
緊急時や一時的なバックアップ手段として有効ですが、コストや通信品質の面でのデメリットも考慮する必要があります。

デュアルSIM

名前の通り2枚のSIMを搭載することで、メイン回線に障害が発生した場合でもサブ回線に自動的に切り替え可能なので通信の継続性が確保されます。ただし、全てのデバイスがデュアルSIMに対応しているわけではなく、対応機種の選択肢が限られます。

IoTシステムにおいても、これらの冗長化の手段はモバイル回線の障害発生時に有効であることは間違いないですが、運用コストの低コスト化は非常に重要な課題の1つであり、また既に実績のあるデバイスを選定済みの場合や、現場で運用中のデバイスの場合などは改造やデバイス再選定は絶対に避けたいところです。

もう1つの冗長化手段!「マルチプロファイルSIM」

「マルチプロファイルSIM」とは?

マルチプロファイルSIMとは、1枚のSIMカードで複数の異なるモバイル通信回線に接続が可能となる「株式会社インターネットイニシアティブ」が提供しているSIMです。
あらかじめ1枚のSIMカードに複数の通信事業者のプロファイルを保持し、デバイス側で所定の操作を実行することにより自由に通信プロファイルを切り替えることができるSIMカードです。



※ 株式会社インターネットイニシアティブ 2022年10月25日付報道発表資料
「IIJ、1枚のSIMで複数の携帯電話網に接続できるマルチプロファイルSIMを開発」より抜粋


CONEXIOBlackBearが「マルチプロファイルSIM」に対応!

コネクシオの「CONEXIOBlackBear」は、海外対応・車載可能・プログラマブルという特長を持つエッジコンピューティング・ゲートウェイです。
多彩なインターフェースを装備しており、各種センサーや製造設備を制御しているPLCなどから情報を取得してモバイルインターフェイスによりクラウドへ通知することを得意としています。
このモバイルインターフェイスに利用可能なSIMとして「マルチプロファイルSIM」にも対応しております。

災害や携帯電話網設備の障害などでメイン回線の通信障害を検知すると自動でサブ回線に切り替えるため、安定した通信環境を確保できます。
また、メイン回線は定額制でNTTドコモの通信回線網を使用した国内MVNOを利用しており、サブ回線はローミング回線の従量制を採用し非常時のみの通信へ切替えるため、通信コストを安価に抑えることができます




専用のソフトウェアが以下の3つの役割を果たすことで実現しております。

  • 回線状態の監視
    接続中のメインまたはサブ回線を介して特定の通信相手にPing疎通確認を5分毎に実施して、疎通OKであれば「回線正常」、
    3回連続で疎通NGとなれば「回線異常」と判断します。メイン回線の異常を検知した際はサブ回線へ切換えを実施します。

  • 回線の切り替え
    コマンドを実行することにより、適用するプロファイルをメインもしくはサブ回線用に切替えます。

  • 回線の切り戻し
    サブ回線利用時は、3時間に1回、切り戻し作業を行います。メイン回線が復旧した場合はメイン回線に戻すことで通信コストを抑えます。

まとめ

マルチプロファイルSIMは、1枚のSIMカードで複数の通信事業者のネットワークに接続可能です。これにより通信障害時でも他のネットワークに自動的に切り替えられ、安定した通信を確保します。

コスト効率が高く簡単に運用できるため、BCP対策として非常に有効です。
是非ご検討ください。


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  災害・通信障害対策サービス 「災害・通信障害対策サービス」は、通信回線を2重化することで通信障害時にもインターネット環境を確保するIoT機器向けサービスです。| TRIBE-biz | コネクシオ株式会社 TRIBE-biz | ビジネス向けインターネット接続サービス

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  CONEXIOBlackBear | コネクシオIoTソリューション コネクシオは”海外利用可能”・”車載可能”な堅牢性、AI連携を想定したエッジコンピューティング・ゲートウェイ『CONEXIOBlackBear』を開発しました。IoTゲートウェイ|エッジコンピューティング|海外利用|車載利用|コネクシオブラックベア コネクシオ IoT


Mr.Bear

Mr.Bear

コネクシオのIoTシステム開発課に所属し、10年以上にわたりIoTシステムの開発に携わってきた有識者。積み上げてきた知見を駆使し、お客様のご要望に合わせたシステムの提案を行います。 CONEXIOBlackBearを使って色々な実証実験を行っています。
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