【IoTの導入】温度管理に必要な機能と導入時の注意点
医薬品や食品の多様化、流通経路の複雑化が見られるいま、GDP(Good Distribution Practice:医薬品の適正流通基準)に基づく医薬品の品質管理、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析重要管理点)に沿った食品の衛生管理の重要性が高まっています。
そこで活用が期待されるのがIoTです。さまざまなモノやセンサーとインターネットを接続することで、リアルタイムかつ一元的な温度管理が可能になります。
IoTを活用した温度管理を検討しながら、「どのような機能が必要か分からない」「導入時の注意点を知りたい」と考える担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IoTで温度管理を行うために必要な機能と、導入時の注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.IoTによる温度管理に必要な機能
- 1.1.①温度データの自動収集
- 1.2.②遠隔監視
- 1.3.③異常時のアラート
- 1.4.④レポートの出力
- 2.温度管理にIoTを導入する際の注意点
- 2.1.①既存設備のまま導入できるか
- 2.2.②ランニングコスト
- 2.3.③カスタマイズ性
- 3.IoT化で温度管理を効率化
- 4.まとめ
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IoTによる温度管理に必要な機能
IoTを用いて温度管理を行うには、温度データの自動集計や遠隔管理、異常値のアラート、レポートの出力といった機能が必要です。
ここでは、IoTによる温度管理に必要な機能について解説します。
①温度データの自動収集
IoTによる温度管理には、IoTセンサーで倉庫や冷温庫などの温度データを自動で収集して、クラウド上の管理システムに伝送する機能が必要です。
温度データを自動収集することで、リアルタイムで温度を把握できるようになります。また、これまで人手で行っていた温度の記録・確認作業が不要になるため、転記ミスや改ざんなどを防止できます。
②遠隔監視
温度管理を効率化するためには、IoTセンサーから収集したデータをクラウド上に蓄積して、遠隔地から確認できる機能が必要です。
スマートフォン・タブレットなどのデバイスを利用して、設備の温度状況を遠隔監視できる機能があれば、工場や保管庫など、複数設備の温度をまとめて管理できるようになります。また、定期巡回の業務を削減できるため、現場の省人化にも貢献します。
③異常時のアラート
安定した温度管理によって製品の品質を確保するためには、異常温度を検出する機能が必要です。
異常温度が発生した際にアラート通知が出る機能があれば、早期に設備点検や保管庫の変更などの措置を行えるようになります。
これにより、温度上昇による医薬品・食品などの廃棄を未然に防げるため、品質管理体制の強化につながります。
④レポートの出力
IoTセンサーで収集した温度データを分析したい際には、レポートを出力できる機能が必要です。
温度管理体制を適正化するためには、収集される温度の推移や異常発生の原因などを分析することが欠かせません。
クラウド上に蓄積された温度データをレポートとして出力できる機能があれば、温度推移を可視化して、管理体制の見直しや事象解析が可能になります。また、温度管理の帳票作成にかかる労力も軽減できます。
温度管理にIoTを導入する際の注意点
冷蔵庫や倉庫などの温度管理にIoTを導入する際は、いくつか注意点があります。ここでは、主な注意点を3つ紹介します。
①既存設備のまま導入できるか
IoTを導入する際は、既存の冷蔵庫や冷却設備のシステムに設置して使用できるか、事前に確認しておくことが重要です。
既存システムにIoTセンサーを後付けできるサービスの場合、導入時の工事が不要なケースがあります。一方、既存システムへの設置ができない場合は、工事や既存設備の加工などが必要になるため、導入時に費用・時間がかかる可能性があります。
②ランニングコスト
温度管理にIoTを導入する際は、初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮する必要があります。
IoTサービスのなかには、導入後の運用に継続的なランニングコストが発生するものもあります。そのため、2年目以降の費用についても確認したうえで、自社の測定項目や規模に応じたIoTサービスを選定することが重要です。
費用項目はサービスによって異なりますが、確認が必要な費用項目として以下が挙げられます。
- メンテナンス費用
- サービス利用料
- 通信費用 など
③カスタマイズ性
IoTサービスについて、自社の温度管理体制に適した機能をカスタマイズできるか否かも注意したい点です。
温度管理のIoTサービスは、温度計測の項目や計測範囲、防塵・防水性能、計測精度などに違いがあります。より精密な温度管理が求められる場合には、計測頻度を細かく設定できるIoTサービスを選定する必要があります。
自社の希望や環境に合わせた温度管理を実施できるか、IoTサービスのカスタマイズについても事前に確認しておきましょう。
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IoT化で温度管理を効率化
冷蔵庫や倉庫の温度管理を効率化するために役立つのが、コネクシオのIoTソリューション『EDconnectワイヤレス』です。
既存のシステムにIoTセンサーを設置するだけで、冷温庫やフリーザーなどの温度を自動的に計測できるようになります。また、設備の入れ替えや工事が不要なため、時間・コストを抑えて温度管理のIoT化が実現可能です。
さらに、複数設備の温度情報をクラウド上で一元管理することで、現場の点検・測定作業を省人化して、効率的な温度管理ができるようになります。温度測定を自動化すれば、点検ミスを防止して品質管理を強化できます。
個別のカスタマイズにも対応しているため、施設全体における温度管理の適正化や、管理体制の見直しを図りたい際にも有効です。そのほかにも、冷温庫の遠隔監視には前述したすべての機能が備わっています。
▼冷温庫の遠隔監視の機能
- 温度データの自動収集
- システムによる一元監視
- 異常時のアラート通知
- レポート化
医薬品や食品、物流の現場において、温度管理の効率化を図りたいとお考えの方は、コネクシオまでお問合せください。
関連ソリューション
まとめ
この記事では、IoTを活用した温度管理について、以下の内容を解説しました。
- IoTによる温度管理に必要な機能
- 温度管理にIoTを導入する際の注意点
- 温度管理を効率化するコネクシオのソリューション
品質・安全管理の重要性が高まるなか、適正かつ効率的な温度管理を行うには、IoTの活用が有効です。
IoTを導入することで、温度管理の点検・記録業務を効率化できます。また、計測の自動化、アラートによる異常時の早期発見によって、品質管理の徹底につながります。
温度管理に関わる業務の効率化や安全性・品質の確保に向けて、IoTの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、コネクシオのIoTソリューションについての詳細は、こちらでご確認いただけます。
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