M2Mとは? IoTとの違いや機器の通信に有効なソリューションを紹介
デジタル技術・通信技術の発展により、製造設備や農業機械など、さまざまな機器のデータを活用する時代となりました。
“モノのインターネット”を意味するIoTが広がりを見せていますが、モノとモノとが通信する“M2M”という技術もあることをご存じでしょうか。
本記事では、M2Mの基礎知識をはじめ、IoTとの違い、機器間の通信に有効なソリューションについて解説します。
▼IoTの詳しい仕組みや詳しい活用例などについては、こちらの記事でご紹介しています
「IoTとは?IoTの基礎知識や実現できることを解説」
M2Mとは
M2M(Machine to Machine:マシーン・トゥ・マシーン)とは、ネットワークに接続された機器同士が相互通信し、情報のやりとりや自動制御を行う技術のことです。
センサーやIPカメラなどの機器からデータを収集。その後、有線・無線でコントロールする機器にデータを送り、機器の制御を自動的に行います。
M2Mの特徴は、正確でリアルタイムな制御が機械同士で完結できることです。M2Mには、次のような活用方法があります。
製造業
生産ラインのIPカメラで製品の画像データを収集して、外観検査で良品・不良品の選別したのちにコンベアの操作を自動化する
農業
ビニールハウス内の温湿度センサーで計測データを収集して、換気口の開け閉めやエアコンの稼働を自動化する
このように、M2Mでは人を介さずに機器の制御を自動的に行うことで、業務の省人化や効率化が図れます。
IoTとは
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、あらゆるモノをインターネットに接続して通信する技術です。ここでいう“モノ”には、パソコンやスマートフォンといった通信機器のほか、ポンプやコンベア、温度計といったアナログ設備・機械なども含まれます。
IoTでは、センサーやIPカメラ、駆動装置などをインターネットに接続してデータを計測・取得します。これらのデータはクラウドサーバーで共有したり、AIを使って分析したりすることも可能です。
IoTには、次のような活用方法があります。
製造業
生産ラインのIPカメラから製品の画像データを取得し、その後クラウド上のシステムで解析して不具合を検知する
農業
ビニールハウス内の温度計のIoTセンサーからデータを取得して、クラウド上のシステムで監視・記録する
IoT技術を活用することで、状態監視や遠隔操作ができるようになり、業務の省人化・効率化につながります。また、蓄積したビッグデータを分析して市場開拓や価値創出に利用することも可能です。
M2MとIoTの違い
M2MとIoTの違いの1つに、機器の通信方法が挙げられます。
M2Mでは、インターネットを経由した通信方式のほか、インターネットを経由しないローカル接続や機器同士をLANケーブルでつなぐ有線接続もあります。また、機器同士の相互通信はありますが、データのやりとりは閉じたネットワーク内で行われることが特徴です。
これに対してIoTは、インターネットを介した通信が前提とされています。機器から取得したデータを、別のモノや人が活用するためにネットワークで接続されるのが特徴です。
▼M2MとIoTの違い
M2M |
IoT |
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目的 |
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つながるもの |
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通信方法 |
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このように、M2Mは機器同士がデータを送受信して自動制御するため、特に産業系で重用されています。
一方、IoTは機器同士の通信や制御はM2Mと共通していますが、リアルタイムな状況把握、AIを使ったデータ分析も可能です。医療分野や家電製品など、産業以外の分野でも活用されています。両者の違いを踏まえて、課題や目的に応じた活用を行うことが重要です。
※IoTゲートウェイとは、機器とインターネットを介してサーバ間でデータのやりとりをする際、中継する機能を持つ機器のこと。ゲートウェイ内にAIが搭載されたエッジコンピューティングゲートウェイでは、画像認識や予知保全、リアルタイムな検知が可能。
コネクシオでは、エッジコンピューティングゲートウェイ『CONEXIOBlackBear』を提供しております。詳細については、ぜひこちらのページをご覧ください。
M2MとIoTの両方に対応したネットワーク接続なら『TRIBE-biz』
製造設備や農業機械など、あらゆる機器間の通信を実現するために、M2MとIoTの両方に対応したインターネット接続サービスを使用する方法もあります。
コネクシオの『TRIBE-biz』では、用途に合わせてM2M・IoT向けのプランを選択できます。各プランの特徴や活用例は、以下のとおりです。
M2M
- 少量のデータ通信プランがあり、相互接続する機器の台数・規模に応じて導入できる
- ローカルや有線接続にも対応している
〈活用例〉
ビニールハウス内に温度センサーを導入して、温湿度・CO2濃度のデータを取得。温度センサーと無線接続した空調システムを自動で制御する。
IoT
- IoT機器のデータを蓄積・活用するために、大容量の通信プランが選べる
- 各種センサーやPLCから収集したデータをクラウドで一元管理して、遠隔監視できる
〈活用例〉
工場設備のメーターにIoTセンサーを導入して、取得したデータをネットワーク経由でクラウド上のプラットフォームに送信。パソコンやタブレットなどのデバイスから、メーター数値を遠隔で記録・監視する。
機器の自動制御やデータ活用など、目的に応じてM2MとIoTを組み合わせて使用できます。TRIBE-biz IoTの詳細については、こちらのページでご確認ください。
まとめ
M2Mは、機械同士が直接データのやりとりをして、自動制御をする技術です。インターネット以外に、ローカルや有線接続などの通信方式があります。
一方でIoTは、あらゆるモノをインターネットに接続して、データを可視化・活用する技術です。IoTではインターネットを介した通信が前提となっています。
M2MとIoTでは、特徴や用途目的が異なりますが、どちらもデータを活用して省人化や効率化を図ることができます。今後のビジネスや産業を展望するうえで、M2MとIoTの違いや共通点について理解することが大切です。
コネクシオの『TRIBE-biz』は、機器間通信を行うM2MとIoT双方の技術に対応しています。「設備機器を遠隔から監視したい」「設備機器から取得したデータを品質・生産性向上に活用したい」という方は、ぜひお問合せください。