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設備・機器に対する異常検知とは? 機械学習による対策方法

生産性の向上や品質の保証が求められる製造業においては、工場設備・機器を安定的に稼働していくことが欠かせません。
設備の不具合または故障などをすばやく検知し、生産ラインの停止や不良品の発生などのトラブルを防ぐためには、異常検知システムによる予兆保全が求められます。

この記事では、異常検知はどのような手法で行うのか、異常検知を支える技術とともに解説します。

目次[非表示]

  1. 異常検知とは
  2. 異常検知を支える機械学習
    1. 教師あり学習
    2. 教師無し学習
  3. 異常検知はデータが少なくても自律学習するソリューションがおすすめ
  4. まとめ

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異常検知とは

異常検知とは、あらかじめ定義された正常なデータに対して、異常なデータパターンを識別・検出する技術のことをいいます。

製造業における異常検知では、設備・機器の備わったカメラやセンサーからデータを取得し、AIによる解析によって異常を検知します。人間が認識できない繊細な変化や軽微な不良なども検出できる利点を活かし、製品の外観検査や設備・機器の予兆保全などに用いられています。


異常検知を支える機械学習

近年、異常検知には機械学習が取り入れられています。目視による識別よりも精度が高く、人の判断を介せず異常を検出することが可能です。機械学習は、“教師あり学習”と“教師無し学習”の2つに大きく分類されています。

教師あり学習

教師あり学習とは、正常・異常などの判定を付けた学習データを読み込ませ、AIに学習させる方法です。

過去のデータにもとづいて、人間が教師となって機械をトレーニングし、学習のプロセスを繰り返すことで識別の精度を高めていきます。不良品の検出やシステムの誤作動の発見などに用いられています。

一方、教師あり学習では機械があらかじめ学習した異常のみを検出するため、これまで発生した故障や不良のデータが必要です。教師データの量が十分でない場合は、予測精度が低下してしまうという課題もあります。

教師無し学習

教師無し学習とは、正常・異常といった判定の基準を必要としない学習方法です。

判定の対象とする正解・不正解が存在しないデータをAIに学習させることで、AIが自ら類似性や規則性のあるデータを分類し、正常なモデルを構築します。この正常なモデルから外れたデータをすべて異常と検知することが可能です。
設備・機器の故障や不具合、劣化などの予兆を異常として検出できるため、製造現場の予兆保全に用いられています。



異常検知はデータが少なくても自律学習するソリューションがおすすめ

工場の設備・機器の異常検知では、正常・異常を判定するための学習データが不足していることがあります。不具合や故障は頻繁に発生するわけではないため、異常を識別するためのデータをすべて入手できるとは限りません。このような場合には、学習データが少なくても自律学習する教師無し学習が適しています。



まとめ

画像認識技術やAIを活用した異常検知は、製品の品質改善や予兆保全を実現します。これまで人の目で行ってきた点検・監視業務を自動化できるため、検知精度の向上や業務効率化、生産性向上が期待できます。

異常検知システムを導入する際は、AIの機械学習モデルにも注意が必要です。学習データが不足している、異常のパターンが複数ある場合には、教師無し学習が適しています。



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