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5Gについて

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目次[非表示]

  1. はじめに
  2. 5Gの特徴
  3. 周波数帯域
  4. ネットワーク構成
    1. NSA
    2. SA
  5. 低遅延化
    1. プロトコル改善
    2. MEC
  6. まとめ
  7. 参考文献等

はじめに

こんにちは。コネクシオIoTブログ 技術記事担当のHです。

この技術ブログでは、昨年4月に執筆担当となってからCONEXIOBlackBearに関する記事を取り上げてきましたが、今回は少し話題を変え5Gについての記事です。

2020年に、大手通信キャリアが5G通信のサービスを開始し、仕事でも5G関連の話題に触れる機会が多くなりました。IoTを支える重要な技術の1つとして通信技術があり、5Gという通信技術の進化によって、IoTの進化がさらに加速されるということは、もはや言うまでもないというような状況と思います。

そこで、5Gについて調べてみました。Web上のさまざまな情報と重複する雑多な内容になっていますが、以下に記したいと思います。

※ 本投稿は担当ライターの個人的感想を述べるもので、コネクシオ株式会社が何らの意思表示をするものでは有りません。


5Gの特徴

第5世代移動通信システム=5Gで言われている大きな特徴は、

  • 高速大容量
  • 同時多接続
  • 低遅延

です。4Gに比べて高速大容量化することで、一般的なユースケースは、高精細な映像をスマートフォンなどの端末で受信してみられたりすることがあげられると思います。IoTという観点では、画像やより大量のセンサデータを送受信できるようになると考えられます。大量のデータが収集できれば、AI技術やデータ分析技術により、高度で的確な判断、制御が可能になると思います。

同時多接続が可能になると、今よりももっといろいろなモノがネットワークにつながります。今まで制御の対象でなかったものが、制御できるようになると考えられますし、あるいは、従来複雑な構成によって大量のモノとの接続を実現していたシステムがよりシンプルに構成できるようになって、モノのつながりを実現するのが簡単になるのではないかと想像します。

低遅延は、ロボットや自動運転に代表されるようなデータに基づいて高度な判断を瞬時に行う必要がある場面において利用価値が高い特徴と考えられます。

これらを実現するための技術的な特徴について、簡単ではありますがいくつか自分で調べたので書いてみます。


周波数帯域

5G通信で使用する周波数帯域は、日本では、

  • 3.7GHz帯(3.6GHz~4.1GHz)

  • 4.5GHz帯(4.5GHz~4.8GHz)

  • 28GHz帯(27.0GHz~29.5GHz)

があります。

3.7GHzや4.5GHzは、よくsub6と呼ばれています。sub6とは、6GHzよりも少し低い帯域という意味です。3.7GHz帯はn77やn78、4.5GHz帯はn79という呼び方もあります。こちらは、3GPPが定義している周波数帯の呼び名です。

28GHz帯は、ミリ波帯(sub6と区別する意味で。ミリ波という用語自体は5G固有の用語ではない)と呼ばれています。これは、電波の波長がミリオーダーになることに由来します。※30GHzでおよそ10mmなので、28GHzはそれより少し長いですが。n257という呼び方もあります。

電波は、一般的に、周波数が高くなると障害物に弱くなります。

ミリ波は、sub6よりもさらに周波数が高く、障害物があるとsub6よりも通信しづらくなります。また、通信距離も短くなるため、多くの基地局が必要になります。

したがって、ミリ波はsub6に比べると技術的ハードルが高いので、ミリ波をうまく活用できるようになるのは、sub6よりも時間がかかると思いますが、ミリ波帯には、1キャリアあたりの帯域幅400MHzを割り当てることができるため、電波環境がよければsub6よりも高速通信を実現できます。sub6は、100MHz幅/200MHz幅です。


ネットワーク構成

5Gのネットワーク構成に関してよく出てくる話題に、

  • SA/NSA

があります。

5Gのネットワークは、主に

  • コアネットワーク設備
  • 基地局
  • 端末

から構成されます。コアネットワーク設備は、複数の基地局が接続され、端末が通信したい相手にむけて情報を振り分けたり制御するものです。

基地局は、端末とコアネットワーク設備の間に位置するもので、実際に端末へ電波を吹いているものです。

端末は、スマートフォンなど、私たちが実際に手にするものなどが代表例です。

NSA

NSAは、Non Stand Aloneの略で、コアネットワーク設備に4Gの設備を使用し、基地局に5Gを使用しています。制御情報のやりとりは4Gで行い、ユーザー情報と呼ばれる実際にユーザーがやり取りしたいコンテンツは5Gで通信を行うものです。

SA

SAはStand Aloneの略です。コアネットワーク設備、基地局とも5G NR方式に対応したものを使用して運用されるネットワーク構成です。制御情報も、ユーザー情報も、5Gで通信を行うものです。

NSAとSAがある理由は、5Gへの移行をスムーズに行うためです。

4Gのネットワーク設備は、広く普及しています。SAの5Gネットワークに置き換えようとすると、既存のネットワーク設備が使えないので、すべてを置き換えなくてはなりません。NSAであれば、既存の4Gの設備を使いながら、少しずつ5Gに移行できます。

SA/NSA自体は、高速大容量、同時多接続、遅延そのものを実現する技術というわけではありませんが、NSAのような構成をすることで、SAのみの場合よりも早い時期に5Gのネットワークを利用することが可能になります。


低遅延化

低遅延化を実現するためのカギとなるのは、

  • プロトコル改善
  • MEC

です。

プロトコル改善

5GNRでは、プロトコルの簡略化や、サブキャリアの帯域幅を4Gに比べて広げて1サブキャリアあたりの伝送可能な情報を増やし、1端末に割り当てる通信時間を短くするといった工夫がされているようです。これにより、端末と基地局の間の遅延が小さくなります。

MEC

MECは、マルチアクセス・エッジ・コンピューティングの略です。
実際のユーザーが、5Gネットワークを使用して何かの応答を得るといった場合、端末→基地局→コアネットワーク設備を通って、一般にはインターネットなどの外部のネットワークにアクセスすることになります。このとき、インターネットと5Gネットワークとのやり取りにかかる時間は状況によりまちまちです。そこで、MECサーバーというものを5Gネットワーク内に配置し、サーバー内に端末が得たいコンテンツがあれば、端末はMECサーバーまでの通信だけをすればよいので、応答を得るまでの時間は短くかつ制御がしやすくなります。つまり、低遅延を実現できます。

ここで、端末が得たいコンテンツとは、静的なデータだけでなく、AIの推論といったような計算結果なども想定されます。エッジコンピューティングの一形態です。


まとめ

本記事を作成したことで、5Gに関連する技術のごく一部ではありますが、自分の頭の中で整理できた気がします。記事を書くにあたり、いろいろな情報に触れることで、5Gが様々な分野を進歩させるための基盤的な役割を果たすだろうということを非常に強く感じました。その分、IoTにおける具体的なユースケースについて深く考えて書ければよかったのですが、多方面に可能性がある分的を絞りづらかったというのが正直な感想です。(たくさんあるのは、いいことではありますが。)

IoTシステムを開発する立場としては、できるだけ早く5G技術を取り入れて、新しいシステム、サービスを作れるように、今後もどんどん勉強を進めていきたいと思います。


参考文献等

  1. やさしい5G(工学社)
  2. 決定版 5G 2030年への活用戦略(東洋経済新報社)



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