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LTE Cat.1 bisとは?特長とメリット徹底解説

LTEの規格は日々進化しています。今回はLTE Cat.1の改訂版であるCat.1 bisについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.LTE Cat.1 bisとは?その特長と基本概念を解説
    1. 1.1.LTE Cat.1 bisの概要:アンテナ1本の規格
    2. 1.2.LTE Cat.1 bisと他のLTEカテゴリーの違い
  2. 2.LTE Cat.1 bisのメリットと利用シーン
    1. 2.1.既存3Gシステムからのスムーズな移行
    2. 2.2.コストと設計変更を最小限に抑えるメリット
  3. 3.LTE Cat.1 bis対応デバイスの選び方
    1. 3.1.デバイス選定時に重視すべき通信性能
    2. 3.2.自社のニーズに合った最適なデバイスを見つける方法
  4. 4.LTE通信モジュール性能の読み解き方
    1. 4.1.仕様表で注目すべきポイント
    2. 4.2.通信規格と性能の関係性を理解する

LTE Cat.1 bisとは?その特長と基本概念を解説

LTE Cat.1 bisの概要:アンテナ1本の規格

LTE Cat.1 bisは、LTE規格Cat.1の改訂版で、2016年に制定された比較的新しい規格です。bisはラテン語の「第2の」から来ています。LTE通信の1カテゴリであり、特にIoTシステムにおいてその価値を発揮します。

従来のCat.1では、通信機に2本のアンテナを必要とするのに対し、Cat.1 bisは1本のアンテナでの通信を可能にしました。これにより、3Gシステムからのアップグレードを容易にし、システム設計を大幅に簡略化します。

Cat.1 bisは、通信のシンプルさを追求しつつ、必要な性能をしっかりと提供する、新しい時代の通信ソリューションです。さらに、Cat.1 bisは、IoTデバイスが求められる現在の技術トレンドに即した性能を持ち、ネットワークの効率性を高める役割を果たします。多くの企業がコスト効率と性能のバランスを重視する中で、Cat.1 bisはその選択肢として非常に有力な選択肢です。

LTE Cat.1 bisと他のLTEカテゴリーの違い

LTE Cat.1 bisの最大の特長は、そのシンプルさにあります。

従来のLTE Cat.1と比べ、Cat.1 bisはアンテナ1本での運用が正式に規格化されており、これによりシステムの設計変更を最小限に抑えることが可能です。他のLTEカテゴリー、例えばLTE Cat.4やCat.6は、より高いデータ速度を提供しますが、その分、システムの設計が複雑になります。

これに対して、Cat.1 bisはシンプルな設計を維持しながらも、必要な通信機能をしっかりと提供します。これにより、企業はコストを抑えつつ、通信インフラの革新を図ることができます。


▼主なLTEカテゴリごとの通信速度の比較


LTEカテゴリ
制定年
通信速度(下り)

通信速度(上り)

MIMO(※)
Cat.M1
2015年
1Mbps
1Mbps
1
Cat.1
2007年
10Mbps
5Mbps
2
Cat.1 bis
2016年
10Mbps
5Mbps
1
Cat.4
2007年
150Mbps
50Mbps
2

※MIMO(Multiple Input Multiple Output)とは、無線通信を高速化する技術の一つで、送信側と受信側がそれぞれ複数のアンテナを用意し、同時刻に同じ周波数で複数の異なる信号を送受信できるようにするもの。ここではアンテナの本数と解釈してもよい。


LTE Cat.1 bisのメリットと利用シーン

既存3Gシステムからのスムーズな移行

移動体通信事業者(MNO)は3Gサービスの終了を進めており、最後まで3Gサービスを継続しているNTTドコモも2026年3月の終了を発表しています。これに伴い現在使われている3G対応のIoTデバイスは新たなLTE通信規格に対応する必要があります。

Cat.1 bisの最大の利点は、既存の3Gシステムを持つ企業が、ハードウェアの大幅な変更なしに4G(LTE)の技術を取り入れられる点です。

3Gは「アンテナ1本」の規格でした。Cat.1 bis通信モジュールは、多くの意味で3G通信モジュールに一番近く、低コストで有力な検討候補です。LTE対応にあたっては、一般的に、通信モジュール周辺のRF回路(アンテナおよび変復調等の信号処理を行う高周波回路)の仕様も変更する必要がありますが、Cat.1 bisに対応したLTE通信モジュールを採用することで、既存の3G向けRF回路のままLTEに対応することができます。このためIoTデバイス開発・製造事業者は筐体の開発コストを低減できます。

新しい通信技術への移行がスムーズになることで、企業は新技術導入のリスクを軽減し、プロジェクトの成功確率を向上させることができます。

コストと設計変更を最小限に抑えるメリット

多くの企業にとって、新しい通信技術に移行する際の課題は、コストと設計変更の必要性です。Cat.1 bisは、アンテナを1本にすることで設計の複雑さを減らし、結果として製造コストを削減することができます。これにより、企業は限られた予算内で効率的に通信インフラを改善し、リソースを他の戦略的プロジェクトに振り向けることができます。

LTE Cat.1 bis対応デバイスの選び方

デバイス選定時に重視すべき通信性能

デバイスを選定する際には、その通信性能が重要な要素となります。Cat.1 bis対応のデバイスは、通信速度とカバレッジのバランスを考慮する必要があります。特に、IoT用途においては、安定した接続性が求められます。通信性能を評価する際には、デバイスの実際の使用環境や用途に応じたパフォーマンスを考えることが重要です。

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自社のニーズに合った最適なデバイスを見つける方法

デバイス選定の際には、自社の使用シナリオを明確にし、それに基づいて通信性能やコストを評価することが重要です。比較検討を行う際には、複数のデバイスの仕様をリストアップし、具体的なニーズに最も近いものを選ぶようにしましょう。さらに、選定したデバイスの実績や他社の導入事例を参考にすることで、選択の精度を高めることができます。

これにより、最終的に選ばれるデバイスが、自社のビジネス目標を達成するための重要な役割を果たすことができるようになります。デバイス選定は、企業の技術戦略における重要なステップであり、慎重な分析と判断が求められます。市場の動向を常に注視し、将来のニーズに対応可能なデバイスを選ぶことが、長期的な成功への鍵となります。


LTE通信モジュール性能の読み解き方

仕様表で注目すべきポイント

通信モジュールの仕様表においては、通信速度、受信感度、消費電力などの項目に注目することが重要です。これらの要素は、実際の運用におけるデバイスのパフォーマンスに直結します。

特にCat.1 bisのようなシンプルさと扱いやすさを重視したIoTゲートウェイでは、「間欠動作対応」などの省電力性能も重要になってきます。

通信モジュールの選定は、IoTシステムの運用管理業務の効率性を左右する要因となります。市場の技術トレンドを把握し、最新の技術を取り入れつつ、システム運用や維持メンテナンス業務効率化の視点も入れた検討をお勧めします。

通信規格と性能の関係性を理解する

各通信規格には、それぞれの性能特性があります。

Cat.1 bisの場合、速度よりも安定性やカバレッジが重視されるため、用途に合った性能評価が必要です。これにより、最適なIoTソリューションを構築するための指針が得られます。また、通信規格の特性を理解することで、将来的な拡張性や互換性にも対応可能なソリューションを選定することができ、長期的な視点での技術戦略を構築することができます。


コネクシオでは、Cat.1 bis対応IoTゲートウェイの他、さまざまな通信方式の機種をラインアップしています。お客様の用途や目的に合ったIoTゲートウェイやIoTソリューションのご提案が可能です。
是非、一度資料をご覧いただき、お気軽にご相談ください。


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Mr.Bear

Mr.Bear

コネクシオのIoTシステム開発課に所属し、10年以上にわたりIoTシステムの開発に携わってきた有識者。積み上げてきた知見を駆使し、お客様のご要望に合わせたシステムの提案を行います。 CONEXIOBlackBearを使って色々な実証実験を行っています。
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