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クラウドAIとエッジAIのメリット・デメリットを解説

AI(人工知能)とは、人間が持つような知能をコンピュータ上で人工的に再現したシステムやソフトウェアのことです。

近年、製造業や自動車産業、農業、医療など、幅広い分野でAIが取り入れられています。そうしたなか注目を集めているのが、エッジAIとクラウドAIです。

本記事では、クラウドAIとエッジAIについて、それぞれの基礎知識やメリット・デメリットについて解説します。



クラウドAIとは

クラウドAIとは、AIが搭載されたクラウドにデータを送信し、学習・推論する技術のことです。

クラウドAIでは、IoT機器やセンサーなどの端末から収集した大量データをインターネットを通じてクラウドに送信します。そして、クラウド上のデータセンターにあるCPUやGPUで高速処理して学習・推論を行ったのち、判断を端末に送る仕組みです。


▼クラウドAIの活用シーン

  • 機械・設備の予知保全
    カメラや振動センサーを用いて機械・設備の稼働状況・温度などのデータをクラウドAIで監視します。AIによって不審な動きを検知し、故障や停止を未然に防ぐことが可能です。

  • 商品の需要予測
    店舗の売り上げデータを蓄積し、クラウドAIで売り上げ状況や来客数を分析します。売り上げデータに基づいた需要予測により、生産管理や在庫管理に役立てられます。

  • 農作物の栽培管理
    生育状況・温湿度・日射などの栽培データをクラウドAIが分析し、学習することによって適切な培養液の濃度、潅水時間などを推測します。農作物の管理作業にかかる負担の軽減、収穫量や品質の安定化につながります。



クラウドAIのメリット・デメリット

ここからは、クラウドAIのメリット・デメリットについて解説します。


メリット

クラウドAIには、複雑な処理の実行や端末にかかる負荷を軽減できるなどのメリットがあります。ここでは、複数あるメリットのうち2つを紹介します。


①大規模かつ複雑な処理ができる

クラウドAIでは、クラウド上でデータの蓄積や推論を行います。そのため、パソコンでは処理が難しいような大規模で複雑なデータの処理にも対応できるメリットがあります。


②サーバや端末への負荷を抑えられる

学習・推論がクラウド上で行われるため、サーバや端末にかかる処理の負荷を抑えられることもメリットです。サーバや端末そのもののコスト、管理の負担軽減につながります。


デメリット

一方、クラウドAIには把握しておきたいデメリットもあります。


①インターネット環境に依存する

クラウドAIでは、インターネット経由でクラウド・端末間のデータ送受信が行われます。そのため、膨大な量のデータを扱う際は、送受信や処理の際に遅延が発生する可能性があります。

また、クラウド・端末間での膨大なデータのやりとりによって通信コストが増えることがある点もデメリットの一つです。


②セキュリティリスクが高まる

クラウドAIがインターネット経由でやりとりした膨大なデータはクラウド上に保存されます。これにより、情報漏洩やサイバー攻撃などのセキュリティリスクが高まることにも注意が必要です。



エッジAIとは

AIが搭載されたクラウドにデータを送信するクラウドAIに対して、エッジAIとはIoT機器やセンサーなどの端末にAIを搭載し、端末が学習・推論を行う技術のことです。

端末で収集したデータを基に端末内で推論を処理し、瞬時に判断を出します。その後、端末で処理したデータをクラウド上に送信し、学習モデルを作成・学習用データを保存する仕組みです。

現時点において、エッジAIのみを用いたシステムの実現が困難であることから、エッジAIとクラウドAIを組み合わせたハイブリッド型の活用が一般的です。


▼エッジAIの活用シーン

  • 製造設備の監視
    エッジAI搭載のセンサーにより、工場内の設備をリアルタイムで監視できます。稼働状況の軽微な変化を検知し、設備の故障・停止を防止することが可能です。

  • 顧客の行動分析
    店舗や施設に設置したエッジAI搭載のカメラで顧客の行動データを分析します。顧客の回遊経路を分析することで、商品のレイアウト変更や商品棚の見直しに役立てることが可能です。

  • 建設現場の安全管理
    エッジAI搭載のゲートウェイにより、工事用の建機や特殊車両の稼働情報を入手できます。工事中の状況をリアルタイムで遠隔監視することで作業員の安全管理に役立てられます。



エッジAIのメリット・デメリット

ここでは、エッジAIが持つメリット・デメリットについて解説します。


メリット

まず、エッジAIが持つ3つのメリットを紹介します。


①リアルタイムな判断ができる

エッジAIではAI処理を端末側で行うため、判断を出してから受けとるまでのタイムラグが発生しないメリットがあります。これにより、端末制御や状況把握をリアルタイムで行うことが可能です。


②通信コストを削減できる

エッジAIは、端末側で処理したのちに学習に必要なデータのみをクラウドへ送信します。端末内のすべてのデータを送るクラウドAIよりもデータ容量が小さくなるため、通信コストを抑えられる点もメリットです。


③セキュリティを強化できる

推論と学習を異なる場所(端末とクラウド)で行うエッジAIは、情報漏洩のリスクが懸念される重要データを端末内に留めながら処理することが可能です。

インターネットを経由せずに処理することで、ネットワーク環境のセキュリティを強化できるメリットがあります。


デメリット

次に、注意したいデメリットについて見ていきましょう。


①処理能力に限界がある

端末の大きさや消費電力を考慮すると、端末に搭載できるリソースには限界があります。

エッジAIで使用するCPU(Central Processing Unit:セントラル・プロセッシング・ユニット)やGPU(Graphics Processing Unit:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)はクラウドに比べてスペックが低いため、大規模データの処理が難しいというデメリットがあります。

また、推論と学習が異なる場所で実行されるため、高度で複雑な処理ができません。


②導入・運用のハードルが高い

エッジAIは端末にAIを搭載するため、システム設計や保守運用が複雑化しやすく、運用のハードルが高いというデメリットがあります。

これらのデメリットから「エッジAIの導入に踏み切れない」と感じている場合は、使用するゲートウェイを見直すことも一つの方法です。



クラウドAI・エッジAIを活用したソリューション

コネクシオでは、AIやIoT技術を活用してお客さまの課題解決へ導く各種ソリューションをご用意しています。


ポンプ設備の安心パック

コネクシオの『ポンプ設備の安心パック』は、エッジAI搭載センサーによってポンプを遠隔監視するIoTシステムです。

ポンプ設備の予知保全により、故障やライン停止を防ぐとともに、保守管理をリモート化することで保全コストの削減にもつながります。

  ポンプ設備の安心パック ポンプの稼働状況の見える化、ポンプの故障予兆検知を可能にするポンプ設備保全ソリューションのご紹介です。 [Smart Ready IoT]は、センサーからゲートウェイ、通信、アプリケーションまでパッケージ化して提供いたします。 コネクシオ株式会社|ポンプ設備の安心パック|予兆検知|予兆保全 コネクシオ IoTソリューション


回転機のAI予知保全

コネクシオの『回転機のAI予知保全』は、クラウドAIを活用した回転機の監視システムです。

回転機に無線振動センサーを設置することで振動データを収集し、AIが異常を察知して通知を行います。AIによる一元監視で点検・監視業務を省人化できるうえ、予知保全による安定稼働を実現できます。

  回転機のAI予知保全 保守・保全サービス事業者様 保守を省力化/効率化したい大手製造業のお客様向け、回転機のAI予知保全の紹介ページです。 [Smart Ready IoT]は、センサーからゲートウェイ、通信、アプリケーションまでパッケージ化して提供いたします。 コネクシオ株式会社|ポンプ設備の安心パック|予兆検知|予兆保全 コネクシオ IoTソリューション


CONEXIOBlackBear

コネクシオの『CONEXIOBlackBear』は、端末から発生したデータを端末側で分散処理するエッジコンピューティングの機能が備わったゲートウェイです。

データのすべてをクラウド側へ転送することなく端末側で処理するため、制御・状況把握のリアルタイム性を確保できます。

また、学習モデルの作成に必要なデータはクラウド上へ送信するといった使い分けができるため、通信コストの削減やセキュリティ強化向上にもつながります。エッジAIの活用に向けて導入を検討されてはいかがでしょうか。

  CONEXIOBlackBear | コネクシオIoTソリューション コネクシオ株式会社|事業内容は携帯電話の卸売・販売及び携帯電話を利用したソリューションサービスの提供。「人をつなぐ、価値をつなぐ」という理念ステートメントのもと、継続的な企業価値の向上を図ってまいります。 コネクシオ IoTソリューション



まとめ

クラウドAI・エッジAIは端末から収集したデータを処理し、学習・推論を行う技術のことです。

クラウドAIは、大規模かつ複雑な処理が可能ですが、リアルタイム性や通信コストの面に懸念点が残ります。一方、エッジAIはリアルタイム性や通信コスト、セキュリティ面に長けていますが、端末のみの処理能力には限界があります。

両者のデメリットを補いつつメリットを生かすには、エッジAIとクラウドAIを組み合わせたハイブリッド型の活用が有効です。ハイブリッド型の環境構築に向けて、『CONEXIOBlackBear』の導入もぜひご検討ください。

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