牛の発情・分娩の予兆を検知
AIカメラとIoTゲートウェイを活用した完全非接触システムで
投下労働時間 約20%改善、子牛出荷頭数 約35%増加!

ファーマーズサポート株式会社 様
http://farmers-s.co.jp(外部サイト)

『農業の未来に新しい働き方を』という理念を掲げるファーマーズサポート株式会社様は、
農家で働く人々の
日々の管理や心労が軽減でき、経営的にも効果がある仕組みを提供することを目指して設立されました。
畜産では、動物に合わせて臨機応変な対応をとるために、負担の重い業務を行う場合があります。
本事例では、AIとIPカメラを用いた遠隔監視システムで牛の発情・分娩を予兆を検知し、畜産農家の負担と損失を削減した事例をご紹介します。

  • 牛の分娩のために、夜間も見回りや待機が必要
  • 発情の見逃しは経済的な損失につながる
  • 映像のAI分析をクラウドで行うと回線負担が大きい
  • 待機時間や見回り業務が減り、農家の負担を軽減
  • 早期発見による分娩事故の減少
  • 発情見逃しが減ることによる収益改善
  • エッジ処理により回線負担の小さいシステムを構築

【導入サービス】

Armadillo-IoT G3L
IoTシステムの個別開発

導入前の課題


畜産を行う農家にとって、動物の出産は非常に重要でありながら、負担の重い仕事のひとつです。

牛を飼養している畜産農家では、牛の発情や分娩に対応するための見回りを1日に何度も行います。牛の分娩は夜間にも起きるため、宿泊や夜遅くまでの対応をしたり、土日祝日も対応する必要がありました。分娩に対応できる熟練者が常に待機していなければならないため、熟練者に負担が集中し、長時間の外出もできない状況でした。
また、牛は人工授精を行うために、発情しているかどうかを見極める必要があります。これも見回りをして人の目で確認する畜産農家が多く、負担がかかるうえに、どうしても見逃しは発生してしまいます。発情を見逃すと牛の頭数を増やす機会が減るため、1回の見逃しで約7万円の損失になると言われます。

そこで、農家の課題解決に取り組まれているファーマーズサポート株式会社様は、畜産農家様の負担を軽減する「スマート畜産管理システム MOOVIE(モービー)」を開発されました。

解決の手法


<実施内容>
■牛舎の様子を監視するIPカメラ(発情用はAIカメラ)を設置。映像はスマホでも確認可能。
牛の行動・体温等をAIで分析し、発情と分娩の予兆を検知。
■予兆を検知した場合、スマホへ通知。
※本事例においてアプリ開発はコネクシオでは実施しておりません。

アプリ画面

アプリ通知の例

\スマート畜産管理システム「MOOVIE」の詳細はこちら(外部サイト)/

IoT導入効果


「MOOVIE」を導入された畜産農家では、牛舎の様子を監視したり、待機したりする時間を削減できました。これによって夜間勤務などの負担が削減されたことに加え、空いた時間に別の仕事をしたり時間をより効率的に使えるようになったという評価を得ています。

アプリ通知や映像の活用により、分娩の事故も削減されました。通知によってお産の早いタイミングで対応ができるようになり、トラブルがあった際にはカメラ映像を巻き戻して最初から状況を確認できるようになったためです。
発情の兆候については、MOOVIE導入前は約5割は見逃されていたものが、導入後はほぼ100%見つけられるようになりました。

また、このシステムは牛に機器を直接装着しないタイプ(非接触型)。装着タイプと比較して牛への負担や装着時の危険性も抑えている、アニマルウェルフェアの考え方に即した牛にやさしいシステムとなりました。
非接触型であることで、装着型の製品と比較した際に、牛に機材を脱着する負担が抑えられ、牛にとっても負担がありません。

数値で見る効果


2021年4月にリリースされて以降、MOOVIEは畜産農家の他にも農業学校などにも導入をされ、以下のような効果を出しています。

・見回り時間の軽減
 ⇒従来は分娩の様子が気になり、外出時や夜間も頻繁に牛の様子を気にして見に行っていた。
  MOOVIE導入後は、お知らせ通知が来てから様子を見に行くことが可能となり、外出時の心理的な不安の解消、
  夜間の見回り頻度が減り、従業員の稼働負担が減少した。
【農業経営診断の結果】
  投下労働時間が、MOOVIEの導入後1年半で20%の改善

・子牛の出荷頭数の増加
 ⇒MOOVIE導入により分娩事故が減少。子牛の出荷頭数の増加につながった。
  牛の状態に異常がある際も、最大3日前まで確認が可能。どのような問題があるのかを推測できる。
【農業経営診断の結果】
  子牛出荷頭数が、MOOVIEの導入後1年半で35%程度増加


・農業学校での生徒、職員の負担減
 ⇒農業学校では、平日早朝・夜中、休日日中の見回りが生徒により行われていたが、MOOVIEの導入により見回り時間を削減できた。  
【効果】
  平日:毎日1時間減、休日:1.5時間減により、1週間で約8時間の見回り時間の削減

 ⇒学生が立ち会う分娩には職員の介助が必要だが、職員がどうしても現場に行けない場合にも
  MOOVIEのモニターを見ながら学生に適切な介助方法を遠隔から指示できるようになった。
【効果】
  職員の稼働負担減、分娩立ち合いの機会が増えることによる学生のスキル向上

こういった稼働時間への効果の他、これまで分娩のタイミングによって起きてしまっていた子牛の死亡事故による従業員の心的ストレスからの退職が減少するなど、農業の未来を担う人材の定着にも繋がっています。

今後の展望


ファーマーズサポート様は今後の展望として、牛の発情をカメラ画像の他、鳴き声からも検知ができるようになることを目指し、愛知県農業総合試験場と共同研究を進めています。
また、海外農場での利用も視野に入れ、海外対応システムへの進化も推進されており、世界の農業の未来へ新しい働き方を提供することを目指しています。

コネクシオのIoTソリューションを選定したポイント


本サービスのご相談をいただいた際に、コネクシオの担当者が現場へ訪問して設置環境を確認・検証などを行った対応面をご評価いただきました。

技術面では、コネクシオのエッジコンピューティングに関する技術を活用いただけました。カメラで撮影した画像をクラウドで大量に処理すると、回線とクラウドに負荷がかかり、処理の遅延や不具合発生、通信料の高額化などにつながります。そこでコネクシオはエッジ側で映像を処理・分析するノウハウを所有していたことから、画像を現場の端末(エッジ)で処理・分析するIoTシステムをご提案し、採用いただきました。

また使用した端末「Armadillo-IoT G3L」は屋外で使用でき、正常に動作する温度の幅が広く、暑い/寒い場所でも使用に耐える点が選定のポイントとなりました。

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