水中ポンプの予知保全を実現
引き揚げ作業を減らしコスト削減・効率化

スマート水中ポンプ「SuPMoS」プロジェクト
 -アイム電機工業株式会社 /ウィットシステムズ株式会社 /リックス株式会社 様
水中ポンプのパイオニアであるアイム電機工業株式会社様は、水中ポンプの設備保全にかかるお客様の重い負担を削減しようと試行錯誤を重ねられていました。そこでコネクシオは4社からなるプロジェクトチームを作り、日本初と思われる遠隔監視ができる水中ポンプ「SuPMoS」の開発に取り組みました。
  • 陸に引き上げないと実施できない水中ポンプのメンテナンスは、作業負担大
  • 異常時も即座の対応が難しく、異常が起きる前に検知したい
  • 遠隔監視のシステムを作りたいが、知見が無い
  • 遠隔監視ができるスマート水中ポンプ「SuPMoS」を共同開発
  • 予知保全が可能になり、次世代メンテナンス(CBM)が実現
  • 得意領域を持つ4社での共同プロジェクトにより短期間で製品開発・販路拡大
【導入サービス】
・IoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear
・IoTネットワーク「TRIBE-biz VPN
SIサービス

 -製品開発・販売のプロジェクトマネジメント
 -IoTシステム構築策定
 -プロモーション、販路開拓

スマート水中ポンプ SuPMoS

水中ポンプの課題である「保全の難しさ」を解決するのがスマート水中ポンプ SuPMoS(サプモス)」です。

異常への早期対応はもちろん、故障の有無に関係なく実施していたメンテナンス(点検・保全)の負担・コストを減らし、状態基準保全(CBM)による「次世代メンテナンス」が実現できます。

「スマート水中ポンプ SuPMoS」の詳細はこちら(外部サイト)

水中ポンプの点検は引き揚げ作業が大きな負担
しかし点検をしなければ故障時に多額のメンテナンス費用が… 


工場や発電所、水処理施設などで使用される水中ポンプは、水中に常設されているため、通常のポンプとは異なりこまめに点検作業を行うことが困難です。点検を行うにはポンプを水中から引き揚げる必要があり、そのための工事や稼働停止による経済的損失・重い人的コストが発生します。そのため異常や故障の早期発見が難しく、気付いた時には修理や設備交換に多額の費用がかかる状態になっていることもありました。

かねてよりこれを課題と感じていたアイム電機工業様は、水中ポンプの遠隔監視システム構築に着手。ところがIoTシステム構築の知見や経験が不足していたため、実証実験でデータの収集まではできたものの、モバイルネットワークの構築でつまづいてしまわれていました。
そこでご相談をいただいたコネクシオは、ウィットシステムズ様、リックス様と共同での製品開発・販売プロジェクトを開始しました。
実施内容(コネクシオ担当領域)
<IoTシステム構築>
①水中ポンプ内部に設置したセンサからデータを取得するシステムを開発
②IoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」の提供
③通信回線「TRIBE-biz VPN」を用いて通信インフラを整備

<プロジェクト推進>
①システムの構築・販売を行う4社を集め、水中ポンプ遠隔監視システムのプロジェクトチームを結成
②プロジェクトの進行

スマート水中ポンプ「SuPMoS」イメージ

・ポンプの内部に振動/温度/湿度/音を感知するセンサを設置
・地上にあるIoT盤内にあるIoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」へセンサからデータを送信
・通信回線「TRIBE-biz VPN」でクラウド上にデータをあげ、リアルタイムでデータを可視化
・異常や故障の検知、異常時のアラート通知を行う

互いの強みをかけ合わせた新製品…企業の壁を乗り越えて


プロジェクト推進にあたり、4社はそれぞれ役割を分担していました。アイム電機工業様には水中ポンプの開発を。FAシステム開発の経験が豊富なウィットシステムズ様には、主に水中ポンプの状態可視化画面などのシステム開発を。水中ポンプの販売実績が豊富でお客様との深いつながりをお持ちの「メーカー商社」リックス様には、開発のアドバイスや販売を担っていただきました。コネクシオは、センサによる水中ポンプからのデータ取得システム構築と通信インフラ整備、プロモーションと全体のまとめ役を担当しました。

共同プロジェクトを振り返って、リックスのご担当者様はこのようにお話しくださいました。
「各社の役割こそ明確になっているものの、それぞれ企業風土や物事の捉え方が異なるため、開発当初は苦労した記憶があります。また、当社にはIoTに必要な技術への知見も少なく不安な点もありましたが、コネクシオを始めパートナー各社にサポートいただきました。業界が違うパートナー企業との協業にはこのような壁はあったものの、それ以上に良い事もありました。 例えば、各社が持つ技術やリード情報が共有できたこと、また、なんと言っても今回の開発を通じて刺激的な団結力が育まれたことです。」
\スマート水中ポンプ「SuPMoS」の詳細はこちら/
(外部サイト)

状態基準保全(CBM)による「次世代メンテナンス」が実現
共同開発によりシステム開発~リリースまでの期間も短縮


水中ポンプの遠隔監視ができるようになったことで、手間もコストも必要以上にかかる従来の保全方式(時間基準保全/TBM)から、必要な時に必要な対応をする効率的な保全方式(状態基準保全/CBM)への転換が可能になりました。これにより、保全コストの大幅な削減が見込めます。そしてコスト削減のみではなく、従業員の働き方や満足度の変化、労働力の再配分など、企業経営に関わる効果を得られるようにもなりました。

また4社共同での開発を行ったことで、1社だけではできないようなプロモーションを行うことができ、開発も当初の想定より短期間で実施することができました。

アイム電機工業のご担当者様は、以下のようにお話しされています。
「弊社はポンプの製造には強みを持っていますが、データの収集や送信、見える化の知見はなく、試行錯誤を繰り返して試作の段階で多大な時間を要してしまっていました。コネクシオにご協力いただいてからは開発がとにかくスムーズで、共同プロジェクトという形で進めて良かったと実感しています。」

遠隔監視の効果が高い海外への展開も視野に
取得データを製品開発やサービス企画にも活用


「スマート水中ポンプ SuPMoS(サプモス)」の今後について、リックスのご担当者様は以下のようにお話されます。
「多くのお客様に導入していただき、従来できなかった水中での遠隔監視を行うことで、異常への早期対応、定期メンテナンスの負担、コスト削減など状態基準保全による「水中ポンプの次世代メンテナンス」を実現していただきたい。活動としては、SuPMoSの開発に携わっている4社の働きかけにより(2022年)8月には日経産業新聞にSuPMoSの記事掲載、プレスリリースも実施。また、10月には共同で展示会に出展し幾つかのお客様から引き合いをいただいている状況。今後は、他の展示会への出展やウェビナーの開催に加え、当社のグローバル営業本部側と連携していくため、更に反響が出てくると考えています。」
海外に設置されている水中ポンプは、現地で点検作業を行うことにも故障対応をすることにも、国内より大きな負担がかかります。そのため海外の水中ポンプの遠隔監視・予知保全にはニーズがあると見込んでいます。

さらには、稼働中のデータを連続して時系列で可視化できるようにしたことで、水中ポンプが故障に至る原因や変化の推移も分析できるようになると期待されます。「SuPMoS」プロジェクトチームでは、今後ポンプから得たデータを元に更なる分析を進め、お客様のお役に立つサービスや新製品の企画開発に取り組みたいと考えています。
\もっとコネクシオの導入事例を見てみる/

関連製品

IoTゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」

3つの特徴
①エッジコンピューティング
②海外対応可能
③車載対応可能

個別のIoTシステム開発

コネクシオは、お客様のご要望に沿った個別の開発案件に積極的に取り組んでおります。「こんなことは実現できるか」「個別に相談したいことがある」等、どのような内容もお気軽にお問い合わせください。

スマート水中ポンプ「SuPMoS」

水から揚げずに状態確認ができるスマート水中ポンプ。
リアルタイムでの監視や異常検知。故障の予兆検知ができるため、メンテナスコストの削減やポンプの長持ちにも効果があります。

企業のIoT化をコネクシオがサポートします

コネクシオのソリューションが5分でわかる!
工業・農業・オフィス・車両・インフラなど、
各分野から抜粋した代表例をご紹介
ご質問やご要望はこちらから
お気軽にお問い合わせください